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地獄が呼んでいるのyassoonのレビュー・感想・評価

地獄が呼んでいる(2021年製作のドラマ)
3.7
疲れた…。第3話くらいで話が辛すぎてギブアップしそうになった。疑問点は多く残る。新生児への告知の理由とシリーズ・ラストの意味。また、天使の告知を受けずに亡くなる人が世の中の大半なわけで、告知を受けて亡くなる人との違いは明確にされない。何日後の何時何分に「死ぬ」ならまだしも敢えて「地獄へ堕ちる」と限定するその理由が違いになると思うのだが。

シーズン1の段階では「身近な人が不条理な(不可解な?)形で亡くなる時、当の本人と残された人はそれにどう対処するか?」と「宗教は人にどう寄り添うべきか?」という2つのテーマだと思った。前者、どんなに祈ろうがすがろうが、過ちを犯していようがいまいが人は必ず死ぬ。普通は死ぬ日時なんて分からず突然(もしくは病気等で余命を宣告されて)亡くなる。告知~怪物による死は不条理に命を奪われる運命のメタファーなのではないかと思う。とはいえ、運命なんてあるのかないのか分からないし(だから天使で怪物ってことなんだろうけど)地獄へ堕ちる人を消すならともかくあのような無残な焼死体で残す意味は不明だ(告知の期日前に自殺をした人も赦されないという厳格さは、自殺を禁じる宗教的倫理感からは理解できる)。人生の残り時間が決まった時、その時間をどう使うかにその人の生き方が表れるが、「残り30秒」という場合には何も出来ないよな…だから突然命を奪われる人、残された人共に後悔しか残らないのかもしれない。後者のテーマ、新真理会は「地獄に堕ちたくなければ正義を行なえ」と訴えるが、教えの通り正義を行っても新真理会は死から救ってはくれないばかりか、告知を受けた人が罪人扱いされるのを助長し苦しみを煽る。宗教は具体的な解決まで到達しないまでも、本来は当事者や周りの人の不安な気持ちや迷いを少しでも和らげる役割を担うものだと思う。今のところ新真理会が信徒に対してどういう役割を果たしているかが謎なので、チョン・ジンス議長の作成した教義を読んでみたいところではある。

それ以外の気になった点。
・矢じりがあまりにも野放しにされ過ぎ。警察は傍観してるだけ?捕まえても捕まえても追いつかないんだろうか。
・新真理会を妄信するマスコミ、それを観て流される市民の怖さ。
・動画配信で気に食わないものを排除するよう扇動するのは2021年初頭のアメリカの連邦議会議事堂の襲撃を思い起こさせる。
・チン・ギョンフン刑事編とパク・ヨンジェ&ソン・ソヨン夫妻編で話がパキッと分かれるなと思ったら、原作のウェブトゥーンで別の巻だからなんだな。ミン・ヘジン弁護士が複数の物語をつないでいく役なのだと理解。
・勇気を振り絞ったおじいさんへの執事の暴力、周りのみんなも傍観せずに止めなよー。あそこのシーンは権力を持つ者の暴挙は正しいと思ってしまう民衆の心情、ってことなんだろうな。リュ・ギョンスは好きです。
・パク・ジョンジャさんがああいう形になったという事は、チョン・ジンス議長の復活もある…?
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