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エコーのyassoonのレビュー・感想・評価

エコー(2024年製作のドラマ)
3.6
マヤがあのキングピンに認められるほど修羅場をくぐり抜けてきたようには見えない。彼女の表情が朴訥で、ニューヨークでハスリングしてきて無慈悲に人を殺めるようには見えないからだと思う。なんなら大人になったボニーの方が凄みがあった。手近にあるものを創意工夫で武器にしてピンチを切り抜けるエコーをもっと観たかったし、スーパーパワーの使い手になると何でもありになるから、面白さがググッと減るような気がする(まぁアクションを観たいんならジョン・ウィック観とけば?って話なんだが…)。キングピンもマヤには甘々で弱々。アイスクリーム売りの男性や手話通訳の女性への仕打ちみたいな非道な面がもっと観られると期待していたのでそこは肩すかし(とはいえ人間らしいところも魅力だと思うので、そこが観られただけでも良かったかな)。ストーリーもまぁそうなるだろうなと。大切な人を人質に取られる想定ができないのはマヤ相当脇が甘いぞと言わざるを得ない。

…とここまで書いたら普通は酷評なのだが、MCUで普通の出来のドラマが最近なかったので、まぁまぁ楽しめたなと。めちゃくちゃ凄いわけでは無いが気持ちが上がるアクションシーンがあり、号泣ほどでは無いが心が動くドラマパートがあり、カメオ出演もあり、なんだかんだで集中して観られた。続編があれば観たいと思う。マーベルのドラマに毎回エンドゲーム並みの完成度を求めてたのがおかしな話で、これくらいの湯加減と期待値で良いはず(ミズ・マーベル同等くらいのレベルではあった)。

ネイティブ・アメリカンの子供達が歓喜してドラマを観たのなら、それだけでも価値のあるドラマ。最近のリリー・グラッドストーンもそうだが、同じ出自の人が主役で活躍するのを眼にする事自体がその後の彼ら・彼女らの人生を左右しうる。
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