jonajona

ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○のjonajonaのレビュー・感想・評価

2.7
(6話だけ視聴)
なんとなくながら見。
主人公黒木華やたんや、これ

時事ネタをかなり素早く取り入れるのは記者という職業を扱う話なのでいい事だと思うんですがな。
小山田圭吾いじめ問題を直接的にモチーフにした事件を扱いながら『何年も前の事件でこんな風にこき下ろされて不憫…』という導入の描き方はいかがなものかと…

時代背景的にあのいじめ告白記事が通用する余地があったらしいことは聞き及んでるし、作者と作品は個人的には別に考えたいタイプだけど、
『事実として』いじめを行なって苦しんだ人がいる題材を、『フィクションとして』万引き問題に描き変えて『実は万引きされた書店が潰れたのは単に店長の持病によるもので、店長も子供時代の万引きは許している』とするのはかなり問題がある。

一方向からニュースを見て糾弾する昼のコメンテーターがあまりにも坂上忍満載で笑った。チョコプラの松尾さんがやる坂上忍は好きなんだけどな笑
迷惑系YouTuberのキャラ造形もあまりにわかりやすく『悪人』!ってテンプレなのもさむいなって…いや実際いるんだろうけどね、このレベルのが。逆にフィクショナルだよね。

主人公セコの過去の旧友変死事件について、旧友の弟が犯人について『ネットに最初に書き込んだのも彼女達だった』と語るシーンがあるんだけど、昔のネット掲示板の『最初』に誰が書き込んだ事で拡散されたか、なんて時間が経過したのちに解明できるものなのか…?とリアリティの部分で疑問を覚えた。

ぱっと見た感じ脇役の部下の女性記者(石井杏奈)の方が事件への探究心や人への信頼が高くて(陽気?)主人公っぽいキャラしてるなーと思いました。
特にマンガフェスの看板漫画家が誹謗中傷で自殺寸前に追い込まれ彼の娘が助けを求めてくる場面でそう感じた。もううちでやる仕事はないって…そんな。主人公はちょっと陰気?というか冷たい所が多くて自分中心、って感じ。
(☆)自分が話作る時やりがちな悩みなんだけど自己投影しすぎて陰気で普通のやつを主人公にしてしまうことがあるので、描き方のバランスの問題だと思う。これハマっちゃうと難しいよね。
さらに考えたけど、陰気なやつが主人公な事自体が問題なんではなくて、多分『そいつが気付きを得る物語にしよう』という目標設定がそれのみで長尺でやるには浅い事が問題なんだろう。悲しいかな事実として、陰気な奴には好感を寄せにくいし、そいつ中心に設計すると対比するキャラとして周りの方が輝くようになるのも当然。ひねりがないと読めない。

あと『自分の気持ちがわからない』というキャラクター、のむずかしさを感じた。

実際に大きなショックを受けたりした時に自己防衛の為に感受性が麻痺する事は起こり得るし、そういう気持ちを経験した人も多そうだから共感できそうなもん。
しかし人が死んで悲しい、とかもわからない奴が『わからないからこそ他人の真実を追求しようとする』って展開になると、
分からないのにそこは分かるの?とかが気になり厳しい目線が入ってしまう。

『世に言いたいことをキャラに言わせてしまってる感』が全体的に強い、と感じさせてしまう演出が多い。という印象。
なんでかな。
なんか主人公たち記者サイドが『常に正』っていうポジションが揺るがない感じが見ていてもやもや。言ってることは常に正しいんだけど説教クセェて思っちゃうな。彼らに揺らぎがほしい。
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