良い。減点要素が思い当たらない。
「俺の話は長い」や「俺の家の話」、ひいては「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」路線のホームドラマだが、良くも悪くも毎回、生々しい“人間くささ”が前面にあって、視聴者が自分ごととして楽しみ、力を与えられる不思議なエネルギーと感動があった。
作品として巧みだったのは、視点の転換。ごく自然に三姉妹の一人称を織り混ぜながら、慌ただしいことも興醒めもない、絶妙なテンポ感の台詞回しと場面転換◎
終わってみれば三姉妹全員が一回りも二回りも成長していて、視聴者も登場人物たちの生き様や吉田鋼太郎からの力強いメッセージに毎回背中を押され、シーズンを通して成長したような気になる。たとえ狙ったとしても、そんなドラマはなかなか作れるものではないのでは。
『人生には限りがある、だから生かしきれなかったものが残ってしまう。ぴったり収支が合うなんてことはない。ぴったりにとらわれるな、もっと大切なことがある。やり残しを恐れずに前向きに生きろ。やり残しのある人生こそ素晴らしい』
『誰でも欠点や変なところはある。良い変悪い変、治る変治らない変、治さないむしろ大切にしておきたい変。願望や先入観にとらわれずその欠点や変さがどういうものなのか見極めろ』
三姉妹役3女優とそれを束ねる吉田鋼太郎をはじめ、脇をかためる浜野謙太やMEGUMIの演技力が皆光っていた。
