かりんとう

舞妓さんちのまかないさんのかりんとうのレビュー・感想・評価

舞妓さんちのまかないさん(2022年製作のドラマ)
2.9
誰も不幸にならない。主人公が大ピンチに陥る事件も事故も起こらない。
年端も行かぬ少女たちが、優しい周囲の大人たちにひたすら気遣われ大事にされてそれぞれの夢を成し遂げるサクセスストーリー。
確かにこういう雰囲気が好きな人には楽しめるドラマだと思う。
しかし、奇しくもこのドラマの公開前に「元舞妓Aのさん」の告発が週刊誌で報じられたばかりだったので、その記事の現実からするとドラマの中はまさにファンタジー夢物語にしか感じなかった。

そもそも「悪役が誰一人存在しない。登場人物全員善人」という映像作品を、自分はこれまで観たことがなかった。
主人公と一緒に誰かを憎み・疑い・ときに戦うという感情を共有して、視聴者というのは物語の臨場感を味わうのだろう。
可愛らしいお嬢さんが、ブラックな労働環境で日夜美味しそうな料理をひたすら作るというお話。それ以上でも以下でもない感想しか抱けなかったのが正直なところ。

追伸:ちなみにこれと対極にあたる映画が、登場人物が見事に全員クズの「彼女がその名を知らない鳥たち」じゃないかと思う