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財閥家の末息子〜Reborn Rich〜のaiaiのレビュー・感想・評価

財閥家の末息子〜Reborn Rich〜(2022年製作のドラマ)
4.5
韓流版「華麗なる一族」
もちろん主役は創業者チン・ヤンチョルを怪演した、イ・ソンミン

怪演・・・何かが乗り移ったような、常人ばなれした演技(をすること)—三省堂国語辞典

スニャングループという一大コングロマリットを築き上げた、創業者チン・ヤンチョルは、総帥にして、一族の絶対者。

もちろん脚本は、どこかの財閥系創業者をモデルとして作り上げたんだろうけど、演じるイ・ソンミンはほんと、徹底的に創業者という人種を研究したんじゃないかと思われる。

目線、姿勢、歩く姿、背中の丸め方、言葉の出し方、切り方、怒り方、突然ニカッとする笑い方、どこをどうとっても、「いるいるこういう創業者」というイメージを視聴者に喚起させる。

一方、本作における「タイムスリップ」は”なんちゃってタイムスリップ”の部類。

過去に戻ってその時点から起きるであろう出来事は、すでに未来で知ってるから、簡単に回避したり、利用したりが自由自在ですよと。なかにはうまくいかないものもありますよと。そりゃそうだよねと。特にタイムスリップにおける新たな視座を得るものではなかった。

だから本作からなんちゃってタイムスリップは無くても問題ない、いや、むしろ無い方がスッキリするし、ショーレースにも優位だろう。

ソン・ジュンギには大変申し訳ないが、イ・ソンミンは文字通り”役者が何枚も上”
もっともソン・ジュンギ自身がそれを痛いほど感じたんじゃなかろうかな。
彼もいい勉強になったと思うよ(何目線?笑)

後半、グループの持ち株比率であるとか、経営財務的な話が出てくる。
ちょっと難しくて、一族の連中が毎度のように真っ赤な顔して叫んで罵りあっていても、なにがなんだかでぽかーんとするシーンもあるにはあったけど、全体として良質なビジネスミステリードラマ。
おすすめです。

※ちなみに、パク・ジヒョン推しです(笑)
「財閥 x 刑事」では本作とガラッと変わって姉御肌の女刑事をやってます。
女刑事の親子の団らんシーン、娘には早く結婚して欲しいと願っている母親が、見合いの話を持ち出す。まったく興味のない顔のパク・ジヒョン。そしたら、母親が「ソン・ジュンギのような顔してるらしいのよ」と。思わず吹き出すパク・ジヒョン。あれ母親のアドリブなのかなぁ。本作ではソン・ジュンギにまったく相手にされなかったので。
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