Jessica

重版出来!のJessicaのネタバレレビュー・内容・結末

重版出来!(2016年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

一回見るのやめちゃった時期があったけど再開。
仕事のことで悩んでる時期だったから、全部のエピソードが面白くて結構各回で泣いた…。
華ちゃんの演技がうますぎて、まずそこに脱帽。華ちゃんて、すごい美人ていうわけでもなくてどっちかというと和服が似合いそうな日本ぽい顔してるけど、ほんとにそれこそ漫画か?アニメか?てくらい演技が上手い…。眉毛ひそめたり、あげてパッて顔が明るくなったり、舌ぺろって出して反省顔とか、全部が可愛くてほんとに女優さんだなって感じ。普通にこんな子いたら正直ちょっとうざくなっちゃうかもだけど、新人編集者ていうキャラにはあってた。
個人的には安井さんのエピソードとあゆちゃんのエピソードがすごく印象に残ってる。安井さんがなんでつぶしの安井と言われるようになったのか、その背景を知ったら確かに"いい編集者"てなんだろう?て思ったし、エピソードの最後に編集長が"お前が売上をちゃんと作ってくれるから他の人が冒険できる"て感謝の言葉を伝えている場面で、確かにそれぞれの役割ってあるんだなと思った。みんながみんな作家のこと思って自由に冒険できたらいいけど、それではやっぱりビジネスは成り立たない。特に業界として厳しい雑誌となれば尚更。そして過去に自分の大好きな雑誌が潰れているからこそ安井さんはその痛みがわかっていて、売り上げを上げる大切さも知っている。そこまでの背景を知ったらもう安井さんには何も言えないなって思ってしまった(漫画への愛はいまだに他の人にも負けないくらいあるわけだし)。
そして後田さんの話もボロ泣きだった。親を選べない中で子供の苦労ってあるよなってところでまずじーんと来たけど、あゆちゃんが"お父さんの漫画面白かった"て言って最高の笑顔を見せる場面でもう涙腺崩壊…。奥さんが亡くなって辛かったのは後田さんも一緒だよね、そしてまっすぐな線すら書けなくなった今でもきっと漫画を好きな思いはあるんだろうなってところにもじーん…。
人の捉え方って違うんだなって思ったのは最後の方の五百旗頭さんのエピソード。運を積んでいるくらいいい人なんだけど、理性的。そのせいで奥さんとも別れ、漫画家さんも手放してしまった…。自分では良かれと思って、その人のことを思ってemperorに送り出したけどそれが作家にとってはあっさり見捨てられたって捉えられていた。心ちゃんくらい、相手に真っ当に伝えないと思いって伝わらないのかもしれない。自分の思いって、思ってるよりも相手には伝わってなくて、違う形で捉えられてるかもしれない、そんなことも考えせられるエピソードだった。だからツノ姫のために走った五百旗頭さんがすごく人間らしくてよかった(いつもクールなキャラだし)。
本屋の河さんもいいサブキャラだったなー。
漫画家と編集者、両方の目線や思いが描かれていて、かつその両者がどのように歩みを進めていくか…。お互い違う人間だし、価値観とかも違っても、漫画を世に届ける、面白い漫画を描くっていう一つの目標に向かって突き進む。でもそれが成功するのってやっぱり一握りなんだろうなって改めてこれを見て思ったし、そしてその関係って奇跡でもあり、でも必ず努力や歩み寄りが発生してきてるんだよなてのも実感した。
なかなか思いが書ききれないくらい、いろんな角度から見れるアニメだった。
その後、梨音とは別れたままなのかな?まあその方が高畑さんにとってはいいか。
御蔵山先生が神すぎた…沼田さんのこと見抜く場面とか諭す場面とか、本当に人間としても巨匠だなと思った。
沼田さんのエピソードとかも、成功できない人の現実味も描かれていたのがリアルでよかった(実家戻ってからいい奥さんも見つけたみたいだし)
すべてのキャラがよかったなー。
Jessica

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