サムカワ

この世界の片隅にのサムカワのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2018年製作のドラマ)
4.5
原作も映画も大好きな身として、ちょっとどうなの〜?と思うところも多々あれど、連ドラとしてのアプローチとして素晴らしかったです。

現代パートは蛇足感が否めませんが、今の広島、呉市に起きた水害の影響をそのまま映し出し、戦中、戦後の歴史が僕らの生きる今に地続きになっていることを実感させるよう、過去と現代のブリッジ的役割を果たしていたのが良かったです。


映画の製作委員会とのいざこざ等もありましたが、本ドラマの作り手の方々が広島に対して真摯に向き合って作ったことは伝わりました。


【第1話】
ドラマオリジナルのシーンや描写、解釈があってこれまた素敵。
ただ出兵する人をあんなに泣いて見送るのがちょっと凡庸な戦争ものに寄っちゃってる気もしなくもない……。

オープンセットやロケ地等の説得力ハンパないですね!

【第2話】
うーーーん………。
場面の意図が原作と異なったりってのがどうなんじゃろ……。
水原さんの気持ちとか口に出しちゃうんか〜と。

でもある意味すごくストレートに感動できるようエモさも増してて、連ドラとしてのキャッチーさはすごくあると思います。

すずさんが思ったより大人っぽい。


【第3話】
リンさんとすずさんの接点に周作さんとの色恋が入ってくるのは正直 偶然性が増してちょっと不自然じゃないかな〜……なんて思ったりもしましたが、
「この世界の片隅に」の持つ"時代を越えた普遍性"を"愛"……というか"恋"に集約してるってことですかね。

原作にはない場面で、すずさんと周作さんの夫婦としての時間を丁寧に描いているのが良いですね。
アイスクリームのくだりは、この幸せがずっと続いて欲しい……けど現実は……というギャップについ涙が出てしまいました。



【第4話】
すずさん以外の人のサブストーリーがとても魅力的で、旦那さんを戦地に送った若奥さんだったり、経子さんの息子との話など、原作になく、オリジナルで膨らましてる部分がとても感動しました。


すずさんは、ぼーっとしてるのが可愛いとかそういう時限じゃなく、ただめんどくせぇやつに見えてきました。



【第5話】
水原さんとの一夜は実写だと色気…というかエロみが数倍増し!!!


【第6話】
桜のシーンいいですねぇ〜


【第7話】
展開てんこ盛りです。
悲観的すぎるのは置いといて、ちゃんと悲しいシーンのオチをクスッと笑えたり、登場人物が笑って終わるようにしてるあたりが、本作らしさで良いと思いました。

現代パートがまだ今のところノイズでしかないですが、ちゃんと着地するのかな??


【第8話】
最初に怪物も出てきてないし、すずさんの絵の世界も出てきてないから、急に右手のアレが出てくると、ちょっと怯む。

近所の、夫を戦場に送った若奥さんの時折見せる表情が毎回グッとくる。


戦後の話は原作の出来事をドラマ的にエモーショナルにするのが上手いなぁ〜



【第9話】
最終回ということで。
戦後の話は何度も涙が溢れました。

僕がずっと気になっていた戦地を旦那さんを送っている堂本志野ちゃんの話も実に感動的に着地したのが嬉しかった〜


せっかく実写化してるのに、戦争描写があまりムゴくないのがな〜とか思ってましたが、原爆の日のあの出来事を逃げずに描き切った衝撃がすごかった。


現代パートのこれまでの蛇足感をいい感じにカバーした終わり方。

原爆後の広島や、呉市の街並みのCG等のクオリティが凄まじい
サムカワ

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