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私たちのブルースのsandyのレビュー・感想・評価

私たちのブルース(2022年製作のドラマ)
4.3
書き溜めていたレビュー最後の一本。
オムニバスで、登場人物すべてにスポットをあてて、家族、親子、兄弟姉妹、友人、仕事仲間と、日常で切り離せない人間関係を豪華な俳優をこれでもかと惜しみなく起用して楽しませてくれる作品です。

刑務所のルールブックと違って、主人公が次から次へと交替していくのが特徴。

どの関係も誰もが思い当たることのある縁となっていて身近に感じます。

俳優陣は主役を張れる実力のある人ばかりで、韓ドラファンには嬉しいキャスティング。キムウビンとシンミナカップルが出演OKなんて、日本では考えられないこと。それだけ本の力がある作品なんでしょうね。

脚本のノヒギョンさんについては、韓ドラの師匠である友人が、ディアマイフレンズやライブを勧めてくれてますが、未見です。これが初鑑賞。
役者が出たがる理由も観ればわかります。

作品自体とても良いことは言うまでもなく、私が今回改めて思ったのはイ・ビョンホンの演技の凄さ。チェジュ島の田舎にいるオヤジ役、その生い立ちから醸し出す性格、こんなにダサいオヤジになっちゃって、オモオモ〜。

二枚目俳優として地位を確立しているにもかかわらず、こんなオッちゃんの役を引き受けて、美術さんやメイクさんもまたこれ上手に仕上げてました。

学生時代の友人で唯一の味方であった人に裏切られ、大人になり再会し蘇る初恋の感情。恋したことがないかのような田舎のオヤジがキスする瞬間などは、こちらが逆にドキドキしてしまった。

母との愛情のすれ違いにより長年会話もせず過ごしてきた生活から、母の最期の旅に付き添い次第に理解していく様子もイ・ビョンホンの優しい眼差しからじんわりと伝わってきて心に響きます。

こんなにダサい田舎のオヤジなのに色気が漂うのは彼ならではの味わいです。

親しみのあるバラエティに富んだストーリーで時に深く自分について考えさせられるドラマです。
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