きゅうげん

ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋のきゅうげんのレビュー・感想・評価

4.2
「驚異の部屋」とはドイツ語で「ヴンダー・カマー」、英語では「キャビネット・オブ・キュリオシティズ」といい、15世紀ごろにイタリアで発生しドイツ文化圏へ浸透した私設博物館を指します。
いずれも貴族や学者などの珍しい蒐集品によるもので、実地的な調査・採集・所有が可能となった大航海時代・植民地支配という近世的発展を背景にもち、古代ギリシャ・ローマ以来の空想的な自然観と18世紀以降に発達する科学観との狭間を繋いだ、混沌と異色の博物学といえるものです。

そんな「驚異の部屋」をモチーフに、みんな大好きギレルモ・デル・トロが案内するホラー・アンソロジー。
オカルト、ゴシック、SF、クトゥルフ……何でもござれで面白くない訳がありません。笑いあり涙ありドン引きありの、すばらしい恐怖短編集です!