りん

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌のりんのネタバレレビュー・内容・結末

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(2022年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

現時点の評価だけど、最終回まで見たらスコア上げると思います…それくらい既にめちゃくちゃ面白い…。
作品が描く方向性は違えど、アンナチュラルと似た表現をするドラマだなと感じています。


自閉症の主人公が社会的弱者(兄弟の末っ子・脱北者・補償金をもらえずに土地を奪われそうになっている住民たち)を助けていくストーリー。

主人公の持つ独特な法の観点であらゆる人たちを救い出す様はとても鮮やかで観ていて気持ちがいい。また、綺麗で可愛い映像ときらきらとして爽やかな劇伴も心地良い。主人公への友人からの温かな支援やイケメンとの恋模様も素敵。
そのようなキャッチーな部分とは裏腹に、主人公を含む弱い立場の人たちへの世間の偏見や人間のどろどろとした感情をものすごく丁寧に描く。さらに、ホロコーストや北朝鮮との関係性、韓国国内で根強く残るであろう家父長制など触れにくいセンシティブな問題にわざとらしい表現は一切なくそれでいて鋭く切り込んでいく。
この対比こそがこのドラマの魅力だと思う。
ポップでキュートなサムネイルとフォントを見れば分かりやすく大衆向けに制作されているように見える。実際開始数十分はそういうドラマかなと思いながら観ていた。その視聴者の期待をいい意味で裏切る。
例えば3話。"普通"のドラマなら、自閉症の被告人は法廷シーンで裁判長に向かい突然はきはきと返答を始め、父母は涙を流し、裁判長は被告人は質問の意図が理解できると判断し、ハッピーエンドになる。でもこのドラマではそんなことは起こらない。自閉症の彼の理解能力はないとされ、争点は心神耗弱に戻され、彼の名誉は回復されない。その姿を見たウ・ヨンウは、自閉症である自分が弁護士を続けても役に立たないと思い事務所を辞める。

ただ「ヨンウが可愛いから応援したくなる」「ヨンウとジュノが上手く行きますように」という感想を抱くだけで終わらせることも出来る。でもそうではなく、社会に置かれた自分の立場と照らし合わせてもう一度世間を見るきっかけとなるドラマだと思う。

また続きを見たら更新します。
りん

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