大根仁×渡辺あや のタッグで送る社会派ドラマ。冤罪事件をテレビ局の調査報道から解決に導こうとする…というストーリーを、政府や報道機関の暗部から様々な社会問題を絡めながら展開させていく、昨今の地上波作品ではあまり観ない攻めの作風。
詰めの甘い部分も散見されつつ、こうした作品をフジテレビのような忖度丸出しの局が提供できるようになったのは時代だ。スターサンズが「新聞記者」を世に出して以降、エンタメ界の"タブー"は着実に解凍されつつあるように感じる。ヒューマンドラマとしても重厚で、各々のキャラクターが重要な役割を持ち、彼らの人間性や行動の過程は情感満載。タブーを掘り起こす事は正にパンドラの箱、中身は絶望だらけかもしれない、だが絶望は希望の裏返しである…と、単なる社会派作品ではない人間社会全般に通底するようなメッセージも込められていて、地上波作品としてのエンタメ性もしっかり担保。この手の作品が今後も地上波で増えていくと良いですね。