恐ろしいほどにリアルなドラマで、見始めたら止めることできませんした。
次々と起こるトラブル、マニュアルがない上に、対応を誤ると国民の命、ひいては国の存立が脅かされるという、空前絶後の極限状況。凄まじいドラマが展開されます。知らなかったエピソードも多いです。
映画も先に作られていますが、そもそも2時間なんて尺に収まろうはずもないことを思い知らされる、息もつかせない8時間。セットのスケールやリアルさは桁外れで、CGのクオリティも高すぎ。ネットフリックスの資金力の正しい使い方だと、嘆息するしかないです。
キャストは役所広司の演技は言わずもがなで、個人的には音尾琢磨と小日向文世に助演男優賞を贈呈したいです。
小日向文世演じる首相の振る舞いは、本当にあんな感じだったんだろうな。誰も正確を情報を持ってないし、正確な見通しも立てられない上に、誰もが責任逃れの発言しかしない（斑目氏の役立たずぶりに驚愕しました）。そんな状況では首相がキレて怒鳴りまくっても仕方ないではないかと思います。彼は人間的に問題がある人物だったかもしれませんが、少なくとも首相という職責から逃げることはしなかったのではないかと。
福島原発の所員や自衛隊員の命がけの奮闘により原子炉の爆発が回避され、日本が救われたという事実は重いです。彼らを英雄として描くこと違和感はないし、感謝と尊敬の気持ちしか持っていません。このドラマを見て辛いのは、当時の自分がいかに何もしなかったかということを思い出しちゃうことかも。
ニュースを見ながら「東京には放射能は来ないな」と安閑とし、関西に住む兄に「避難してこい」と言われても「大げさだなぁ」とへらへらしていたものな…。
