アマプラ。久しぶりに仮面ライダー見た。原作漫画の「ブラック」は石森章太郎が「石ノ森」と改名して2年ほどしての作品なんだね。「アマゾン」以来のライダーものというのだけれど、こちらは記憶がない。そりゃそうだ、大学院のころだもの。
今回は西島秀俊と中村倫也の共演を堪能。でも、かっこよかったのは平澤宏々路(ひらさわ こころ)の葵(あおい)かな。バッタの太陽と月の間のカマキリなんだけど、いい感じでしたね。
漫画の原作は読んでないから知らないけど、全体としてヘイトを入れてきた脚本がおもしろかったね。おもいっきり時代を盛り込んできたわけだ。外国人差別と怪人差別、そして68年の学生運動とセクトの内ゲバ。そこに731部隊と「マルタ」の記憶を重ねながら、連続する政治家たちの闇の連なりを織り込んでゆくのね。
わるくない。もりあげてくれるのが、ルー大柴の怪演(いやよかったわ)、尾美としのり(臆病ないいとこのお坊ちゃん風で悪いやつの見事な依代)、そして寺田農はもちろんあのマフィア顔負けのタロウちゃんのモノマネだよね。
それからいい感じの憎まれ役が「反怪人団体」の代表役の今野浩喜。これも特定の人物が思い浮かぶけれど、こうやってヘイトを盛り込むところは、怪人たちの戦いのスプラッターぶりに加えて、配信ならではというところなんだろうな。
脚本の髙橋泉(1973年生)さんは白石監督(1974年生)とは『凶悪』(2013)なんかで組んだ仲。コンセプトヴィジュアルに樋口真嗣(1965年生)とか入っているから、映像としてきっちり楽しめるものになっているよね。すくなくともぼくは楽しめた。
そうそう、ラストの葵ちゃんの変身ポーズにはしびれちゃいましたね。ちゃんと西島から中村のラインを踏襲して「へんしん」って言うんだもんね。あ、くるくるとわかっていても、だからこそもりあがる。これぞ、仮面ライダー!