YasujiOshiba

宇宙戦争 シーズン2のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

宇宙戦争 シーズン2(2021年製作のドラマ)
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U次。やっぱり気になったので3話まで。ワンワン・ボットとの追いかけっこは終わりで、今度は人間が登場。しかるして「諸世界の戦争」(War of the worlds)はある世界の人間たちと別の世界の人間たちの戦争になった。シーズン2は内戦。それも見にくい生物兵器を使う内戦へと向かいつつある。さて、どうなることやら。

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ところでSFの世界ではお馴染みのタイムトラベルなんだけど、過去に戻って時間のループを作るというのは、どこか妄執的なものがある。あの時こうしておけばという特異点に立ち戻って改変しようというのが、ループを作り、タイムトラベルに特有のパラドックスを生み出すからだ。

それにしても、どうしてSFはタイムパラドックスを反復するのか。それはたぶん、人間の思考にタイムループを作り出して、パラドックスを産もうとする志向があるからではないだろうか。

早い話、その志向のひとつの例が「戦争の正義」に寄り添う「復讐の正義」だ。過去に行われた不正が、被害者やその親族などの足枷となり、苦しんでいる状態から「解放して」、あるしゅの「満足をあたるかのようにふるまうこと」、それが復讐。

もちろん過去に遡ることはできないので、過去の不正への復讐は現在において遂行されるのだが、これに対してさらに復讐が繰り返され、果てしないループが形成されてゆくのが、まあ、人間の歴史というやつだ。

だとすれば、果てしない復讐の連鎖を断ち切るために、過去の特異点に遡って、そこで不正を正せばよいという発想が、おそらくSF的なループの背後に潜んでいるのではないだろうか。

シーズン2の3話まで見てそんなことを考えてしまった。続きはまた、気が向いたら見ようと思う。

4/11 追記。

4話からラストまで。ほとんど予想通り。復讐のループに未来はない。あるのは過去だけ。その過去からの解放が「re-venge」(再び・正当性を実証する)。そのためにはタイムトラベル。

つづくシーズン3はダブルタイムトラベルによるループの捩れの映像化ってことなのね。しばらくお休みして、気が向けばまた見ると思うな。だって、エミリーの復活に立ち会いたいじゃない。会えないのかな。ねえ旦那、気になるよね。
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