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車輪のごnのレビュー・感想・評価

車輪(2022年製作のドラマ)
3.0
全体的に暗く重い空気の話。

車輪というタイトルにこめた思いは良くわかる。
法律も含めて、社会には、あっちを立てればこっちが立たない、逆もまたしかり、という局面はあって、そういう時に究極の選択を迫られる。どこまでなら嘘をついていいのか。何為なら人の尊厳を利用しても許されるのか。大義か正義か。どっちも突き詰めればエゴに過ぎないが、どうする?と。

その本題に対して気持ちいい結論は描かれてない上に、なんか夫婦の泥沼劇っぽくなって失速した感がある。
でも、結論出せないお題やしね。
皆さんも考えてみてください、オチ、も仕方あるめー。

本題に対して枝葉になるが、

SNSも含めてメディアは時限のある感情やムーブメントしか見てなくて、残酷で無責任だな、というのがよーく描かれていたし、なぜか犯罪被害者の方が、その後の人生で多くの重荷を背負って生きていくという不条理も、これでもかというくらい執拗に描かれていた。

あと、意外にも刺さったのは、どう罪を償うのかを加害者自らが選択してはいけない、ということ。
うん。それはそうやね。
裁判所の決定すら納得できないこともあるぐらいなのに、てめーで勝手に決めてんじゃねーよ、と。
わかりやすい。

結果、最も印象に残ったのは、
本の修復という職業があること、それがなかなか素敵な仕事であること。
老後やってみたいなと思ってしまった。それだけ。

全話観るのは根気がいる作品ですが、根気よく見れば、え?そんな裏があったの?の、仕込みが最後3話くらいで五月雨式にようやく露呈されてゆくので、暇なら観ると、最後の方で、オイオイまじかよひでーなってちょっとだけ盛り上がれますよ。
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