たわらさん

鈴木先生のたわらさんのレビュー・感想・評価

鈴木先生(2011年製作のドラマ)
4.5
明確な答えがない存在しない問いに対して思考をすること、その必要性を説いた作品。学園ものとして、思春期の悩みを描きつつ、大人が濁すテーマについて取り扱っているのはとても興味深かかったです。最後の鈴木裁判では変わらない地味な絵でも見入ってしまうものがあり、見事なアウフヘーベンでした。価値観の多様性と謳いながらも、自分の意見を信じて止まず相手の意見に耳を傾けないものが如何に多いことか。思考することは難解であり、痛みを負う恐れもある。けど、世界は黒と白のモノトーンでできているわけでは無く、きっとカラフルな虹色である。

✔️教師の苦悩
教師が主人公の作品はあるようで意外にも少ない。鈴木先生の思考がダダ漏れになっているので、生徒に翻弄される姿は否応なく感情移入してしまうのは上手い作りでした。カトリック教会の神父のように性関係について気を遣わないといけないのは大変ですよね。

✔️大人の責任とは
この「教師」は我々大人に置き換えることもできる。子供との違いとはなんなのか。私たちが子供を導く道っていうものは一体何なのか。物語を通して、有耶無耶になっている問題に対しての本質に注目してみたくなりました。長谷川博己も名役でした。
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