なすび

ロリエ・ゴドローと、あの夜のことのなすびのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

すごいよかった!!!最近のドランの作品の中でもダントツに好き。『たかが世界の終わり』と似たような家族の話でありつつ、今回はサイコスリラーの要素たっぷりでいかにも北米のドラマ!って感じもしてワクワクした。ドラン監督、ドラマ好きなお母さんの影響もあって映画よりドラマをたくさん見てきたらしい!特に『シックスフィートアンダー』にはいつも自分の作品を作る際に大きな影響を受けているらしいです。見ねば。

数人の登場人物の心情を扱うバランスが上手い。過去に何があったのか?というのも断片的に出してくるから、視聴者は最後まで一体この家族に何が起こったのか?ということを完全に把握できないまま、ハラハラと見守ることになる。
人間の描き方も好き。みんなどこかだめな人間、危うくて、孤独で、でも人との交流を求めてる。時にはやさしい一面を見せることもできる。家族だからこそ言えないこともあるし、家族だからこそ言ってしまったひどい言葉もあるし、家族なのに言えないこともあるし、家族だからそれが辛かったり。でも最後には、幸せだったひとときを見せてくれて、うんうんってなった。

俳優たちもめちゃくちゃいいっ!
特にミレイユ、ミミ役は難しそうな役どころだけどすごくすごく心に残りました。

あとドランもめっちゃいい役してる!笑 この人、いつ見ても可愛いくてずるいんだけど、、、。なんで自分が監督して、こんなこんな魅力的に自分撮れるんだろう?笑 ナルシスティックって意味ではなくて、毎回自分に似合う役をよくわかってらっしゃるわ…。あとドランの好きなとこ、キスシーンを丁寧にやってくれるところ!!!今回、案外(?)好きな人同士のイチャイチャシーンで、セックスシーンがない。その代わり、素晴らしいキスシーンがありました。その名も、名付けて「ご飯ぶちまけ世界が終わった…と思いきやまさか天国行き決定キス!」我ながらひどい命名です。全国のドランファンの皆様ごめんなさい。でも、わかりますよね!?あそこ、まじぶっ飛びましたよ!!?!全世界映画の中のキスシーンを研究する会の方々もたぶんこれは価値ありと認めるのでは!?……すみません、自分でも何を言っているのか意味がわからなくなりました。とにかく!!!最高!!!!その後も、なんかベッドで二人ゴロゴロしながらするキスとか、かわいくて泣いた。やっぱりキスっていいよねって思ったね!

ドゥニの部屋めっちゃ汚いのもリアルでいいんだよなー。娘たちとのFaceTimeも、思春期だから全然盛り上がらん笑 一人暮らしだから基本上半身裸で、娘と電話するときはTシャツ着るのもなんか切なかった笑
あとドゥニもエリオットも料理慣れてなくてフライパンあちっ!とかで落とすのテッパンだけど見てておもろい笑

ドラマの最後ってなんか典型ぽいのある気がするけど、これは曖昧な終わり方だけど最後まで抜かりなく作ってあって、めっちゃテンション上がった!

音楽はハンスジマー!
なすび

なすび