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VIVANTのkadocksのレビュー・感想・評価

VIVANT(2023年製作のドラマ)
2.4
前半数話はとにかく酷くて脱落しそうになったが、話題作だから頑張って観た。何のことはない、結局半沢直樹だった。
不覚にも最終話の役所広司の演技にグッときてしまったが笑

徹底的に酷い音楽は置いておいて、予算しっかりかけてNetflixや韓国ドラマに負けないドラマを作ろうとしても、シナリオと演出がダメなのであちこち破綻する。壮大な別班ことスパイ物がやりたいのか、経済物をやりたいのか、家族物をやりたいのか、美しいモンゴルの風景を見せたいのか。
全部混ぜこぜにしても、せっかく金を掛けたのだから使いたい、って編集モタモタすれば当然緩くなるし、カットも笑っちゃう酷さ。ドローンです、ってカットダメでしょ。シナリオのあちこちがおかしいし、大事なシーンは日本語で、って笑わせてるのか。とにかく整理が出来てないからあちこちでモタモタする。脱出劇とかテント追跡劇とかさ。酷すぎるよ。
それにテロリストとしての扱いがお手軽で何にも今の時代を考えていないのがわかる。それに最初から復讐劇なのは母親の言葉からわかっていたが、親子の問題に落とすのはないだろう。テロリストだぞ。テントはワグネルだぞ。簡単に民間軍事会社とか使うなよ。

ただし経済劇の部分はお得意で半沢直樹だから安定。わかりやすい。
だがスパイ物としては酷くて緊張感もなくスピード感もない。ホント勉強してるのか?って思うレベルの低さ。スーツ着て走ってりゃ良いのか。

せっかくの二重人格やら裏切りやら奇跡の子やらネタだけ置いておいて、使い方ヘタかよ。その上実はこうでしたと後から説明も多すぎて笑っちゃう。
まあこれが日本のドラマのレベルだ!と誇るのは勝手だけど恥ずかしい。

役者陣は堺雅人はさすが半沢直樹。阿部寛も顔だけで魅せる。そして役所広司の貫禄よ。二宮和也がなぜ上手いとされるのか、これを観ると嘘なのがよくわかる。滑舌も悪くリアリティがない。とにかくテントのシーンが総ダメなのはほぼ二宮のせいだと思う。
モンゴルの役者は顔も存在感もある。演出として結局役者の顔を置くしか無いのもわかる。
二階堂ふみは好きだが華がある女優ではないので、華を添えても良かったかも。

で最悪の音楽。なんでこの人に頼んだのか。
とにかく笑わせてるのか、と言う大袈裟などこかで聞いた事があるようなクラシカルな曲、九話のレクイエムみたいな曲、特に笑った。映像のリズムとか考えてないんだろうな。最後の方にワルキューレの騎行が出てきたのも疑問符。
泣きのピアノ曲も酷い。

結局大風呂敷広げたら小さなメモ帳切れ切れで入ってたみたいな出来でした。
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