豪華キャストと東野圭吾さん原作という視聴前のハードルの高さに対して、惜しくも飛び越えられなかった感を抱いた作品でした。
その惜しい感は主に次の二点。
まず、この作品は2時間ドラマで片付けられる内容ではないということ。
次に、ラストへの伏線が弱く感動が薄かったこと。
時代が移る度に登場人物が主人公とはあっさり縁が切れてしまう残酷な現実の描写が、豪華キャストの贅沢使いによって目立ってしまい、急いた印象を持ってしまいました。
また時代の流れが速いことで感情移入する前に話が進んで行ってしまいました。
これらは次のラストへの感動度にも影響したと思います。
一方、映画版での謎設定であったお笑いコンビという点が解消されたことは良かったです。
だからこそラストへの道筋がもう少し丁寧に描かれていれば、映画版よりも更に泣けたはずです。
亀梨和也さんは映画版の山田孝之さんとはまた違った暗さを背負った雰囲気を帯びていて素敵でした。
歌からも哀愁が漂っていれば最高でしたが、抜けきれないアイドル感が出ていて少しニヤけました。
その他、五人の食卓での光の当たり方、二回ある主人公の靴のアップなどの演出は好きでした。
次に映像化する媒体がいるならば、連続ドラマとか時間を掛けてゆっくり描かれたものを観てみたいです。