まぐらいだあ

下剋上球児のまぐらいだあのレビュー・感想・評価

下剋上球児(2023年製作のドラマ)
3.2
日曜劇場とあって、スポ根ものの場面もありつつシリアスな展開も描いている。

事実を元に作られた話なので、野球部が甲子園に出るという結末はわかっている状態で、どうやってこの弱小高がの仕上がって行ったのかが見どころだと思うのだが、そこの内訳が正直あまりわからなかった。

主人公教師であり監督である南雲を中心に、野球部の生徒たちの関係性とキャラクターは良かった。
しかしながらスポ根としての逆転劇に対するカタルシスが弱い。
なぜなら強くなっていく理由が、わりと深く追求されていないからだ。
結局は、練習と監督の采配やその他に運など様々な要素があって、登場するキャラクターの精神的な成長が、勝ちに繋がっていくのはわかるのだが、それだと元々全員が野球のポテンシャルが高いだけになってしまう。この場合、必要なのは野球部が強くなっている理由としてのハウトゥが必要ではないだろうか。
この感じだとミステリでいう、トリックの部分がちゃんと明らかにされていないまま、犯人は最初からわかっていて、何故犯人が殺人を犯したかだけしかわからないような印象を与えられた。

1、2話くらいまでは面白かったのに、南雲
の謎を解決する話あたりから、だんだん面白みが無くなってきた。
ゆえに下剋上だのなんだのと言われても、逆転劇を見せられたところで特に感動するようなこともなく、平凡なドラマを見せられたような気分になった。