ルビー婆さん

Bodies/ボディーズのルビー婆さんのネタバレレビュー・内容・結末

Bodies/ボディーズ(2023年製作のドラマ)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

4つの時代とロングハーベスト通りの一つの死体。
これだけで、タイムトリップものとわかるけど、どうしてそうなったのか?




かなりネタバレしているので注意。

2023年 ハサン刑事
1941年 チャーリー・ホンイトマン巡査部長
1890年 ヒリングヘッド警部補
2053年 メープルウッド刑事

数話でほぼ真相はわかるので、中間あたりで少し中弛みしかけるが、後半にかけてよくなる。

タイムトリップでは、欲望が渦巻くし、成功したならそれを繰り返すように仕組んでしまう。

少年のエライアスがまさかそんなことをするとはと思ってしまう。見た目からして、ジュリアンに見えないからなぁ!

自分は愛されてこなかったから愛されたい。愛のある未来を築きたい。みんなもそうなってほしい。
志はよいのだけど、それには必ず多くの人々を犠牲にしなければならないという必須項目があるのだ。
これだけで、やっぱり自己中なのである。

身勝手な…と。その時点で、このドラマの先行きはどうなるのか心配になってくる。つまらなくなるかも??という。
だけど、気になるので見続けてしまう。

結論から言うと最後まで観て良かった。

幸せになり続けるための1人の男の決められたループ人生。
だから、ループを断つには、その本人自身がその人生を繰り返したくないと思わせないといけないのだ。

これをどうやってするのか。
意外と簡単なのかもしれない。
今や、SNSなどでデマが簡単に広がる世の中。捏造も簡単。そうなると、1人の男の意識を変えることも簡単なのかもしれないが。

そこには恐ろしさが潜んでいると思う。
ほんの少しの意識の違いから、恐れから、自分のゆるがない意識が疑惑となり、確信がない態度は周りの人へ影響し始めて壊れて行く。幸せを確約されていた人生が崩れるのだ。

もうこんな人生は歩みたくない。こんなループは嫌だ。
これをやめるためには、自分が生まれてくることを止めなければならない。

最後にエライアスが消えた時、生まれるべき人ではなかったけど、同情して涙も出た。

愛に飢えながら生きるのは大変だろう。生まれるべき存在ではなかったが、少しの意識で自分も周りも変えられるのなら、人は人生において悲観的に生き続けるのではなく、何らかしら意識の変化を少し持てば、今より良い人生になっていくのではないか。小さな意識を繰り返して行く。

時代にまたがり、多くの人々を巻き込む。大きなスケールなのに小さな者のある男の人生を描いたドラマだ。
チープにも見えるかもしれないけど、小さなことは大きなことに繋がっている。バタフライ効果だ。

このドラマを観ていて連想した筆頭ドラマはドイツのドラマ『Dark ダーク』、映画では『TENET テネット』
いずれもややこしいストーリーだが、面白い。