延享三年(1746)正月、幸(小芝風花)と智蔵(松本怜生)は浜羽二重を初出荷、五百反が即完売。そこへ呉服仲間の月行事が飛び込んできて、浜羽二重に盗品疑惑があるという。会所に行くと、真澄屋(山西惇)が、「手代が五百反の羽二重を横流した」と訴えていた。浜羽二重と色も重さも違うが、真澄屋は五鈴屋の五百反こそが盗品の羽二重だと言い張る。そこで幸はある証拠の品を差し出し、伏見屋(田中健)がそれを識別すると…
浜羽二重の一件で遺恨のある真澄屋(山西惇)と五鈴屋が、桔梗屋買い上げを巡り争うことになるが、幸(小芝風花)たちが買い上げに成功する。受け渡し当日、桔梗屋番頭の周助(泉澤祐希)たちの表情が暗いことに気づく幸と智蔵(松本怜生)。すると、孫六(吉見一豊)から「桔梗屋の屋号も暖簾も、もう使てはあきまへん!」と言われ当惑するが、その前日、幸は治兵衛(舘ひろし)から買い上げに関するある知恵を授かっていた…。
身重の幸(小芝風花)は、大坂に来たばかりの妹の結(長澤樹)を気遣うがなかなかなじめない。そんな時、幸は売り上げを伸ばそうと、「帯」に着目する。大坂では帯のおしゃれがまだ広まっていなかったのだ。周助(泉澤祐希)が京に走り、新たに帯地を買い付け「帯の五鈴屋」を広めようとした最中、因縁のある真澄屋が大金をかけ宣伝展開、「帯の真澄屋」を定着させる。幸は、他にマネのできない工夫を考えだそうとするのだが…。
店主を失った悲しみに耐え、商いに淡々と打ち込む五鈴屋の人々。跡継ぎをどうするか…涙も見せずに商いに打ち込む幸(小芝風花)に結(長澤樹)は、「姉さんには心はないの?!」といらだつ。呉服仲間からも跡取りを早く決めるようにと催促される中、「七代目は、わてが継ぎとうおます」と幸は宣言する。店主にも家主にもなることを禁じている女名前禁止の大坂において、幸は次に続くかもしれぬ女たちのためにも立ち上がるのだが…
幸(小芝風花)は、鉄助(八嶋智人)とお竹(いしのようこ)を伴い浅草田原町に到着する。五鈴屋江戸店は間口二間半と小ぶりだが、智蔵(松本怜生)と夢見た望みに叶ういい店構えだった。出店準備を進める中、幸はお竹と柳原の古着商いを見に行く。江戸と大坂の商いの違いを目の当たりにしながら、幸は出店に向けいろんな知恵を思いつく。赤穂義士討ち入りの日、五鈴屋江戸店が開店。その盛況ぶりを遠巻きに見つめる男がいた…。
開店当初は賑わった江戸店だが、ひと月後には売上げが低迷。幸(小芝風花)は江戸での商いに悩み、歌舞伎役者・菊瀬栄次郎(風間杜夫)を訪ねる。栄次郎は、弟子の吉二(齋藤潤)に動きやすい木綿の稽古着を新調してみるかと難題を持ち掛ける。後日、幸はある工夫を施した稽古着を納め、栄次郎を唸らせる。すると、吉二の稽古着が役者仲間の間で評判を呼ぶ。そんな時、賢輔(佐久間悠)が街で惣次(加藤シゲアキ)を見かける。
幸(小芝風花)は鈴の小紋を作るため、賢輔(佐久間悠)を伊勢型紙の里・白子に行かせる。一方、鉄助(八嶋智人)は、天満の呉服仲間が女名前延長を勧めていると報告。それは惣次(加藤シゲアキ)が江戸にいるおかげだという。数か月後、型紙が届き、お才(菜葉菜)の亭主・力造(池田努)に型染めを依頼した幸だったがなぜか断られてしまう。そんな時、当代一の女形・歌舞伎役者の中村富五郎(片岡千之助)が五鈴屋にやってくる。
鈴小紋が評判となった五鈴屋だが、麻疹禍で客が途絶える。しかし、病魔払いの鉢巻き用に鈴小紋の切り売りを望む客に応じた五鈴屋は、麻疹禍後に大繁盛する。ある日、えびす講に誘われた幸(小芝風花)は結(長澤樹)を同行、本両替商の枡吾屋(髙嶋政伸)と遭遇する。その後、結に縁談話が…。そんな時、五鈴屋に多額の上納金を納めるよう通達が来る。幸は、相談に訪れた両替商で、行方不明だった惣次(加藤シゲアキ)と再会する。
主人公・幸(さち)は、木綿の産地摂津国(現大阪北中部あたり)の生まれ。元武士で商人を毛嫌いする父に育てられます。兄と父が急死、母と妹・結を残し、大坂天満(おおさかてんま)の呉服屋「五鈴屋(…
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