斎藤工目当てで。
原田知世との初恋。巡り会えた人は運命の人だったのか。能登の海の思い出はミステリーのようで、死の影をまとった美しい純愛だった。北川悦吏子脚本。
新進気鋭の工業デザイナーのユウリ(斎藤工)は、なぜかクリーニング店の配送員のカスミ(原田知世)を誘う。カスミは高校生の息子を育てるシングルマザー。年齢、社会的立場、どう見ても不釣り合いなのでカスミは戸惑う。
ユウリの師に奥田暎二。
ユウリへ歪んだ愛をぶつける山口紗弥加。どちらもクセが強いんだけど哀しく憎めない。
ユウリの部下の莉莉(大後寿々花)がキューピッド役で愛らしかった。
「写真」が様々な形を変えてメタファーになっている。
「影」「真を写す」「生み出す力」
生と死、喪失と再生の物語だった。
音楽が良い。讃美歌が時折流れる。
二人の大切な音楽は「禁じられた遊び」だった。
カメラは手持ちで人物とともに動き、切り替え少なく表情をじっくり映し出す。
一緒にいると自然な二人。
恋など忘れていたカスミが少しずつ綺麗になっていく。その先にある悲しみを含んだ愛に変わっていく。
原田知世の重ねてきた人生が透明感をキープしていた。歳の差は気にならなかった。
斎藤工の色気がたまらない。