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侵入者たちの晩餐のandのネタバレレビュー・内容・結末

侵入者たちの晩餐(2024年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

バカリズム『侵入者たちの晩餐』観た。巧いけど面白くはない、ブラッシュアップのように遠くまで連れていく作品ではなかった。脱税とか、池松壮亮の使い方とか、正直読めてしまった。不倫相手との出会いはあまりにも都合がいい。構成に走りすぎていて強引さが目立った。菊地凛子がなぜ主人公なのかも家事代行業者だからという設定面では満たしているけど、内面における主人公性が薄い。というか全員不法侵入しているだけに、初っ端からメインキャラとして好感度が低すぎる。ブラッシュアップライフのように生まれ変わって他人の人生までよくしていく構造とは真逆だった。2時間ドラマの中であれだけの仕掛けを見せなきゃいけない分そこに終始せざるを得えず、バカリズム独特の作家性溢れた日常会話が最小限まで削ぎ落とされていた。これが一番残念かも。ここまで構造勝負でいくなら、最後ひとつ、才気張った裏切りさえあれば傑作になったようにも思える。まあ、尺の問題なんだろうなーという。楽しめたことは楽しめたけど。構造を見せようとするがゆえに、その構造のせいでキャラの好感度が必然低くなる設定だったのが一番しんどかったポイントかもしれない。
そう、ブラッシュアップライフは、飛行機事故を主導した人間がいるのでは?という終盤のミスリード仄めかす引っ張り方とか凄かったんだよな。フィクション見慣れてる視聴者用の裏切りで、冷静にその線いったらやりすぎかみたいな。ご都合にせず期待感をもたせるバランスが絶妙だった印象。
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