ねまる

不適切にもほどがある!のねまるのレビュー・感想・評価

不適切にもほどがある!(2024年製作のドラマ)
3.8
タイムスリップコメディというジャンルで、
真っ向から現代エンタメに向かい、ミュージカルという作戦で言いたいことを言いまくっているクドカン節。
ある意味『バービー』と同じなのでは。
昭和/バービーランドの価値観で生きてきた主人公が、現代/リアルワールドとの価値観の違いに気付く。で、歌う。

それをある種主人公目線な宮藤官九郎が書いているので、それを全てとして考えるのはどうなんだ?と思ったり、違う話をごっちゃにするなだったり、マジョリティが言うなということだったりは、まあ色々あるんだけど、
エンタメとして親子の物語をハートフルにも描きつつ、その他よくない風潮を打破するメッセージを突きつけているのはクドカンじゃないとOKでない企画だったんだろうなという感じはする。
正解の提示ではなく、あくまで一つの提案という目線なのが良かったね。

1話からずっと「この作品には不適切な台詞や喫煙シーンが含まれていますが時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み1986年当時の表現をあえて使用して放送します」という注釈が出ていたが、
最終回で、2024年当時を再現するため、と出るのもすごくよかったと思う。きっと、さらに30年後にみたらアホらしいんだろうな。

阿部サダヲ、古田新太といったクドカンの常連から、磯村勇斗、河合優実という映画界からの新星の個性強めなキャラもみんな最高。河合優実が仲里依紗と見た目ではなく親子に見えるところが何よりすごい。
大好きな河合優実ちゃんが世間に見つかってしまったよ。
ねまる

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