馮美梅

君が心をくれたからの馮美梅のネタバレレビュー・内容・結末

君が心をくれたから(2024年製作のドラマ)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

最初はとんでもない設定だなぁと思いながらもなんか観ていました。
普通なら1話切り確定な感じでもおかしくないんですけど、これが最終回まで見ると違う意味でとんでもなかったので騙されたと思って最後まで観て判断してほしいなと思う作品です。

大切な人・太陽を助けるめに残酷な契約をする主人公・雨。
太陽の夢は花火職人になること、そして雨はパティシエになるといっていたけれど、太陽は赤色が判別できないことで花火職人を挫折、雨も厳しい職場でのアレコレありでクビになり、長崎へ戻ってきた。

再会したふたりにさらなる追い打ちのように悲劇が訪れる。
太陽が交通事故で瀕死の状態に。

太陽の命と引き換えにあの世の案内人という人が現れ、太陽を助けるためにと言われた交換条件は雨の五感を差し出せと。


雨はその条件を飲んで、3ケ月かけて少しずつ五感を失うことに。夢を失った今の自分にとっては五感を失ってもなんてことないと思っていたはずなのに、太陽や祖母、精神病院に入院してる母との事を色々思い出すことで、なんてことないと思っていたことが実は雨にとってかけがえのないものだったことを思い出す。しかし時間は残酷に過ぎていく。

最初、案内人の2人は必要なのか?なんなんだ?と思っていたけれど、必要でした(笑)
そして、太陽も雨の奇跡を知ることになり…

最初、案内人ってなんだ?と思ってずーっと見ていたけれど、本当に最後の3話くらいでようやく案内人の素性がわかるんだけど…

同時期の後のドラマも奇しくも余命3ケ月の宣告を受けた父親の物語だったりして、共通するのは自分の死を受け入れることはもちろんなんだろうけど、残された人たちにも未練を残さないようにという思いを伝えるような作品でしたが、このドラマのタイトル「君が心をくれたから」最終回を見るとこのタイトルの意味が深くて1話からの長い長い伏線が最終回に回収されることの見事さを感じました。

奇跡を受け入れた雨、しかし本当の奇跡はそこじゃない。結果的に見る人がそれをハッピーエンドと思うかバッドエンドと感じるのか…案内人の日下が起こせなかった奇跡をこの2人が本当の奇跡を起こしたその先は…

主役の2人はもちろんだけど、周囲の人たちの演技も良かった。最終回を見た後の余韻が残る作品だなと感じました。
馮美梅

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