雑多な登場人物と、事件の謎を煙に巻く枝葉とも取れるサイドストーリーの多さが白昼夢に迷い込んだかの如く視聴者を惑わせるドラマ『ツイン・ピークス』。デヴィッド・リンチの映画を好んで観ていた自分としては、あの独特な感覚がテレビシリーズの長い尺で味わえてとても楽しかった。とは言っても、氏が自ら監督を務めたエピソードは全30話中たった6話だけなので、純粋に比較すべきではないのかもしれないが。ジャンルレスに描写された悲喜交交なドラマは見応えがあり、ローラ・パーマー殺害事件の顛末に限れば本編の出来栄えも完成度が高い。
しかしながら難解と言うか…多くの謎が明かされないまま終わってしまったので、放送後に公開された映画『ローラ・パーマー最後の7日間』と25年後と約束された続編『リミテッド・イベント・シリーズ』も観たいと思う。
