面白い！「ザ・バットマン」が割と地味でリアル路線だったからこそ、このドラマは他のアメコミスピンオフ作品と違い突飛さもスケールダウンも感じずに しっかりマフィア映画のトーンを出せてる。期待してなかったけど、完璧すぎるくらいのドラマ。
街への憎しみ、鬱積した不満。踏みつけられどうしようもない俺たちの生活と、上にいる権力者、金持ち、バットマン。トランプ当選を予見したような「自分たち」の話。
1 冒頭から大胆で、でも同時にペンギンの小物さも感じて面白い。1話で絶体絶命になるテンポも良いな。この先も期待できそう。ファルコーネの一人娘ソフィアとまさかの右腕になるビクター、魅力的なキャラ！
2 マローニ家族唆し強奪と裏切り、ソフィアの説得へ奔走。ソフィア、ハングマンと呼ばれ女7人を殺したとされている。いとこは親しげに接するが娘にかまわれるのは嫌……。オズはアドリブばかり、嘘八百の綱渡り。ビクターの失敗を知るとプラン変更、鍵を握る男を躊躇なく殺し罪をなすりつける。グダグダなのに上手く行き、上手くいくとさらに問題に繋がってしまう。
イタリア行けとか言われてもう嫌だ。古株にうんざり、弟と仕切るつもりだったのに。私が奪う。楽しそうでしょ？一緒に踊ろう。
3 ザ・バットマンで描かれた事件のビクター視点。最悪の思い出。いつも被害を被るのは庶民。引っ越す彼女の誘いとペンギンとの仕事で揺れる。ソフィアの策、新麻薬"ブリス"のため中華マフィア面会、後ろ盾捏造はハニトラで埋め合わせ。綱渡りもさすがにほころびが出てくるので展開が早い。もう後戻りはできない！
4 水たまりの街から前回ラスト。弟殺し。/財団のスピーチ。母の鬱病。事業関係者首吊り？/伝統破り娘に継がせる？母病気だったっけ？「隠すのが上手かった」記者と父の言葉→事件について聞く。思い出す母の爪。/父の注意からの逮捕。オズの報告が仇に。アーカム送りで暴行と鑑定。異常者に仕立て上げる空気。フォークを持たされ…拾って首を刺す女。父の手先ベントリスと、優しいが屈する、下心ありきのラッシュ。罪人とは言えないし利用するがソフィアには十分敵。10年間男は私に嘘をついてきた。殺された女たち(被害者たちはすぐ忘れられる)。家族になじまない、明日からやり直す決心、100年の幸せに。あなたは怪物と戦わなくていいようにする。黄色ドレスにマスク。軽やかな足取りで屋敷を回る。生かしたジョニー、話を。
5 レックスの話？金で白革シートの車。マフィアの息子がTikTok笑 取引に使う/警官 次期市長はクリーン。もう裏金は貰えないね。ジョニー監禁で金の在り処を。/サル刺殺狙うが脱走！息子と妻を焼いてしまったがサルの危険があるので退避命じる。/ジョニー！しっかりマフィアもの。サルと同盟？廃鉄道。地下にアジト！
6 ブリスを売り拡大するオズ陣営。ママはビクターと仲良しで認知症に合わせる姿にオズは不安。スクイッドが絡んできて対処を迫られるビク。サルとソフィアはオズの大切な人を探る。イブに辿り着くが情報なし、しかしハングマンではないという話から打ち解けヒントを得るソフィア。オズはソフィアにビビるマフィアを説得しビール片手に結束！
驚きもありつつ、そうなるよね〜という方に着々と展開していく良いエピソード。
みんな「街が悪いんだ」と言いながら決定的に対立しているのが切ない！ついにオズが力をつけたけどツケが……！
7 子どもオズ！兄弟！サディスティック？不運？悲しい！/ヴィクは何とか無事。ソフィアは彼を侮って関心なし？兵隊を集めろと逃がす。/ママと語り合う。同じ勝者同じ敗者。/工場案内。挑発「焼ける臭い」から反撃。死ぬんかい。上手くいかないもんだ。/ジアはソフィアの行いに勘付いてる。自傷行為で悲劇再生産を思い知る。自由になりたい。プレゼント。ママじゃなくて良かった……全部吹っ飛ばす？/「いい暮らしをさせて」うわー、それぞれの呪い、カルマ。
8 最終話 完璧だった。街への憎しみ、鬱積した不満が起こす下剋上、既存ルールで戦い逃げられなかったが外部の絆に繋がるソフィア、幼少期トラウマと孤独な成り上がり、文字通り対岸の上層から飛び込んでくるウザいアイツの影！トランプ当選を予見したような「自分たち」の話。
帰結はやっぱりそうなるよねぇ……と思ったけど、どうしてそうなるのかが予想外だった。子どもの頃のトラウマと野心が何十年も尾を引いて、歪な親子関係により、信頼できる関係も壊してしまう不安に満ちた王になる。悲しいね。
首を絞められて殺されていった女たちのために、首から赤い血を流して戦うソフィア。そして靴底の赤がコーディネートとしてまとまってるが、こっちは誰の血なんでしょう……。
ショーランナーのローレン・ルフランすごすぎ。3話までを監督したクレイグ・ゾベル大好き。
