このレビューはネタバレを含みます
問題提議とリアリティのバランス
1話:松坂桃李の演技のキレ、ワンオクの主題歌にワクワク。岡田君は少しやせ、嫌な奴がハマっている。吉岡里帆もいい、2話からの常盤貴子に期待。
2話:成績の良い子供達(得点するスキルに長けていても、未熟)の青臭い全能感に釘を刺しつつ、思春期の複雑な心に耳を傾ける(真剣に話を聞いてくれる大人がどれだけ周りにいることか)一方、理想論はあっても現実を見ようとしないから行動できない大人に気付きを与える御上先生がお見事。常盤貴子の役、教師は辞めても教師。子供への愛が深い。
3、4話:いい刺激を与えれば、子供たちは動き出す。ただ完全ではないから、見守りが必要。ターン、という言葉で帰国子女問題(当人たちにとっては結構深刻)をさらりと出してくれたのは感謝(イジメが怖くて在外歴を隠すのはよく聞いていた)。ただ、学習指導要綱の問題提議は気づきではあるけど、受験生がそこまでするかな?最後まで見届けたいから、フルメークの女生徒とか、大人の意見を代弁させられるとか、現実から乖離しすぎてストーリー全体が転覆しないように祈ってる。
5話:前回の違和感が増幅された感じ。一方、岡田君や文科省、ミッチーに迫田さんなど、御上先生と対立する「悪い」側の演出が劇画的というか陳腐な感じがして大分冷めてしまった。(制作側の)問題提議は続く。御上先生が教育改革という大きな目標の一環で現場経験を血肉にしようとしているのか、あるいは、生徒をだしに使って私的復讐を遂げようとしているのか、結構微妙なライン(作家の狙いどおり?)。
6話:タレントの顔見世ではなく、普通の高校生のまっすぐな面が見えたのが良かった。将来キャリアを考える上で、父親との関係性が重要になってくるけど、上手くいっている側と、DVにより破綻している側が描かれた。前者はビジコン代表。72の法則も借金の怖さではなく、預金の効率の悪さを示唆するのに使い、金融の原点が信用と助け合いというのは、大人は逆に言いそうにないので新鮮だった。
7、8話:大人の意見を子供に言わせる違和感はなくなり、文科省側の演出も半沢的顔芸が薄まり自然になった。岡田君の嫉妬にかられる表情も自然。子供に考えさせるというのは教育の原点だと思うけど、受験生には難しい、その辺の指摘が良かった。次回以降、いよいよ期待の常盤貴子の話になりそうで嬉しい。