太古の時代、仙界で罪を犯し人間界へ追放された巡界（シュンジエ）仙人と青石（チンシー）仙人は、100世の修行を課され、青い石を頼りに再会することを誓う。そしてついに迎えた最後の世。人間界では青い石を持つ謫仙が世を救うとの天啓があり、江湖の各派が謫仙を探していた。ある日、巡界仙人は、張万財（ジャン･ワンツァイ）・金花（ジン･ホワ）夫妻とその養子・紀小二（ジー･シアオアル）が営む客桟を訪れる。

謫仙に間違われた紀小二は、張殷殷（ジャン･インイン）に従い、江湖の名門・西玄派に入門。紀若塵（ジー・ルオチェン）と名付けられ修行に励んでいた。しかし、紀若塵に試験で首位を奪われた張殷殷は不満を募らせる。巡界仙人は俗世で洛風（ルオ・フォン）として暮らしていたが、突然姿を消した洛風をいとこの洛惜塵（ルオ･シーチェン）が捜していた。その頃、真の謫仙を生き返らせようとする門派があった。

張殷殷が自分のせいで懲罰を受け、天心洞に閉じ込められていると知った紀若塵は、張殷殷に差し入れをする。西玄派の真人の特徴など惜しみなく教えてくれる張殷殷の人柄に触れ、紀若塵は張殷殷に惹かれていく。張殷殷が天心洞から出る日、弟子の李玄真（リー･シュエンジェン）、尚秋水（シャン･チウシュイ）と共に張殷殷を迎えに行こうとした紀若塵は、丹元宮から呼び出しを受ける。

雨宿りした洞穴の奥で気を失った張殷殷の元に紀若塵が駆けつけると、そこには鎖で結びつけられた妖怪がいた。それは幼い張殷殷に妖株を植え付けた蘇姀（スーホー）だった。張殷殷の頭痛の原因が妖株だと知った紀若塵は、妖力を抑える鎮妖石で作った腕輪を張殷殷に贈る。一方、洛惜塵は国師・孫果（スン･グオ）に面会し、行方不明のいとこを捜してほしいと請う。

雲中居の弟子で謫仙の顧清（グー･チン）は、西玄山で青い石を身につけた紀若塵を見かけ、仙縁で結ばれた運命の人物だと思い込む。紀若塵は人違いだとつれないが、顧清は青い石は自分が贈ったものであり、紀若塵は仙人の記憶を失っているだけだと話す。紀若塵と顧清が夜に２人で密会していたと知った張殷殷は怒り、顧清に手合わせを申し出る。©

西玄派の掌教・紫陽（ズーヤン）真人は、紀若塵と顧清の縁談を進める。張殷殷は、顧清に勝つため、蘇姀の弟子になることを決意する。その頃、李安（リー･アン）が統治する昊方では、妖魔の篁蛇が出現しようとしていた。篁蛇の秘宝を狙う各派が続々と昊方へ向かう中、紀若塵は妖魔退治を願い出るが、昊方から戻ったら顧清と結婚するよう紫陽に命じられる。

昊方へ向かう道中、紀若塵は妖怪の青衣（チンイー）と出会い、青衣を追ってきた六仙堂の道士を討つ。一方、孫果から紀若塵を殺すよう命じられた極妙（ジーミアオ）老祖が牢から放たれる。六仙堂の李之曜（リー･ジーヤオ）らと共に紀若塵を討ちに来るが、紀若塵に煙に巻かれてしまう。紀若塵が青衣と一緒にいるところに張殷殷がやってきて、３人は共に昊方へと出発する。

再び紀若塵たちを襲った極妙は無尽海の零（リン）に殺され、青衣が万妖の長である無尽海の主の姪だと判明する。一方、青墟派により復活した真の謫仙・吟風（イン･フォン）は顧清を守るために重傷を負い、介抱されていた。吟風の回復を見届けた顧清は昊方へと向かう。そして紀若塵が李安に妖魔退治の策を問われているところに顧清が現れ…。

妖女と知られ各派に追われる張殷殷は、昊方王の食客・済天下（ジー･ティエンシア）に助けられるが、結局捕まってしまう。紀若塵が駆けつけるものの太刀打ちできない。そこへ張殷殷の母・黄星藍（ホアン･シンラン）が現れ、各派を蹴散らす。再び妖魔退治に向かう紀若塵に、済天下は書を授ける。張殷殷が自分の元を離れるのではと思った紀若塵は、ついに自分の素性を明かす。

奪われた宝を捜していた紀若塵と張殷殷は、通りかかった客桟を訪れる。そこは紀若塵の父母が営む店だった。父母は、実は九幽の十三魔の中でも最強の雌雄双魔で、息子の修行のため真の謫仙を殺したと告白する。店を後にした紀若塵は、西玄派が宝を奪ったと信じる各派と戦う張殷殷の父・景宵（ジンシアオ）真人と黄星藍の元に戻り、吟風と対決する

紀若塵を守り重傷を負った張殷殷は、無尽海の主に九尾の天狐の弟子と知られ、幽閉されてしまう。一方、吟風との対決で痛手を負った紀若塵は意識を取り戻し、顧清が仙力を捨ててまで命を助けてくれたことを知る。弟子の顧清が仙力を失ったことを知り激怒した雲中居の金山（ジンシャン）が、顧清と紀若塵の速やかな結婚を西玄派に迫る。

顧清との結婚を促す紫陽に対し、紀若塵は自分は謫仙ではないと告白するが、紫陽は初めから知っていたと告げる。そして、紀若塵を景宵の元へ連れていく。景宵は、毒をまかれ全身が石化してしまっていた。雲中居の秘術によってのみ解毒できるが、その条件は紀若塵と顧清の結婚だった。紀若塵は、やむなく顧清との結婚を承諾する。

若塵の本心を知った顧清は婚約を取り消し、紀若塵は行方をくらました張殷殷を捜しに蘇姀の元を訪れる。蘇姀は紀若塵に張殷殷の思いを伝え、捜すように促す。一方、昊方では李安が太子に封じられる。洛惜塵は太子妃となるが、紀若塵への恨みを日増しに募らせていた。そんな洛惜塵に対し、孫果は西玄派を共に滅ぼそうとそそのかす。

酔いつぶれた顧清が目覚めると、雲中居で吟風に介抱されていた。吟風は顧清に過去の記憶を思い出させようと試み、仙界に共に戻ろうと説得するが、記憶の戻らない顧清は戸惑う。一方、町中で張殷殷が羅然門に追われているところに、紀若塵が現れる。２人は再会したのもつかの間、羅然門に捕まり、地下牢に閉じこめられる。

顧清は、吟風こそが仙縁で結ばれた運命の人だと思い出すが、仙界へ戻ることをためらう。その様子を見ていた青墟派の虚玄（シューシュエン）は、羅然門に捕まった紀若塵を討たなければ顧清は振り向かないと吟風を諭す。一方、紀若塵らを救うため、羅然門と対決した常陽宮の姫氷仙（ジー･ビンシエン）は、重傷を負う。李玄真は雲中居の石磯（シー･ジー）と結婚した尚秋水に助けを求める。

羅然門から救出された紀若塵と張殷殷が西玄派の分派を訪れると、そこには師兄・雲風（ユン・フォン）が滞在していた。分派の弟子たちを貞武観が次々と捕らえていると知った紀若塵は、京城へと助けに向かう。救出した師弟・徐沢楷（シュー･ゾーカイ）から、西玄派が世の混乱を招いたと孫果が触れ回っていると聞いた紀若塵は李安に真実を伝えに向かう。

洛惜塵に襲われて体が不自由になった紀若塵は、ある晩、全身に青い炎をまとった状態で目覚め、取りつかれた様子で雲風の首を締め上げる。止めに入った張殷殷の声で意識を取り戻すが、雲風が作る薬を服用しても体は回復しない。焦る紀若塵に対し、済天下は、天道の巡りは変えることができ、自分の心に従えば解決策は見つかると告げる。

吟風との対決で重傷を負った紀若塵は、真元も修行の成果も失い、生死の境をさまよう。そんな紀若塵にとどめを刺すよう吟風に迫られた顧清は、紀若塵の命を助けてくれれば共に仙界へ戻ると約束する。一方、孫果が朝廷と結託して西玄派を陥れ、紀若塵と張殷殷にも危険が迫っていると知った黄星藍は、蘇姀の元を訪れ、娘の救出を請う。

紀若塵たちの居所はついに貞武観に知られてしまう。青墟派の虚玄は、雲中居の金山の元を訪れ、西玄派の征伐に加わるよう説得する。人知れず剣の修行を試みる紀若塵を、雲風は温かく見守り、励ます。しかし、そこへ孫果と洛惜塵、羅然門が来襲する。孫果らは、紀若塵を引き渡せば命は助けると雲風に打診するが、雲風は拒否する。

補天崖の妖禁で、張殷殷と紀若塵は妖族の噬情（シーチン）尊者と面会する。噬情尊者は、２人にとって最も大切なものと女媧の涙との交換を持ちかける。紀若塵との記憶を差し出すように迫られた張殷殷は、一旦は断るが、紀若塵の志を思い、紀若塵の力を取り戻すため記憶を差し出すことを決意する。そして女媧の涙を得た紀若塵の仙力が回復する。

妖禁での出来事と紀若塵のことを忘れてしまった張殷殷は、紀若塵と共に西玄山へ戻り、両親らと再会する。紀若塵は紫陽に拝謁し、雲風が亡くなったこと、張殷殷が自分の記憶を失ったことを報告する。蘇姀が女媧の涙を勧めたのは自分と張殷殷の仲を裂くためだったのではないかと疑った紀若塵は、蘇姀に真意を問いただす。

三界を守るために九幽の修羅塔を破壊すれば、体内の溟炎は善となり、生まれ変わって再び張殷殷との縁を結べると紫陽から聞いた紀若塵は、霊穴を破壊する任務を授かり、ひそかに下山する。その頃、貞武観を訪れた吟風は孫果の主と面会する。主は、仙力がなくても顧清が仙界に戻れる仙雲魄と引き換えに紀若塵を殺すよう吟風に迫る。

霊穴を破壊しに訪れた沙海で妖皇に捕らえられた紀若塵は、無尽海の主の助言で難を逃れる。しかし、再び妖皇に襲われ、太古の神器である修羅矛や神仙・甲庚（ジアゴン）によって救われる。甲庚は、霊獣の息子・甲璇（ジアシュエン）のケガを治すため、紫金宮の霊穴の近くで隠居しているのだった。突如として霊穴から霊力があふれ出して甲璇が暴走し始めて…。

張殷殷を危険にさらしたくない紀若塵は、西玄山に帰そうとするが、張殷殷は耳を貸さない。結局、西玄派の仲間と共に寨城の霊穴を探しに向かうが、孫果は村の周囲に陣を敷いて紀若塵らを封じ込め、吟風と顧清に殺害させようと企んでいた。紀若塵に危機が迫っていると知った青衣と零、星隕山の龍象（ロンシアン）と白虎（バイフー）は無尽海から応援に駆けつける。

孫果たちに包囲された紀若塵は、張殷殷を神州気運図の中に隠す。星空が広がり、七星が連なった瞬間、時空が交錯し、張殷殷は紀若塵との記憶を次々と思い出す。紀若塵は急いで張殷殷の元に駆けつけるが間に合わず、現実の世界に戻った張殷殷の記憶は戻らない。そして孫果が塔の周りに毒をまき、紀若塵らは絶体絶命の窮地に陥る。

全身を焼かれた李玄真を姫氷仙がなんとか助け、紀若塵たちは急いで西玄山へ連れ帰る。吟風は、紀若塵が最後の霊穴を破壊しに訪れるはずと顧清に知らせに行く。李玄真は一命を取り留めるが、醜くなった自身の姿に絶望する。西玄派の真人たちは、各派からのさらなる攻撃を恐れ、最後の霊穴の破壊に反対するが、紀若塵は行くことを望む。

紀若塵は、張殷殷に過去を無理やり思い出させることで、霊穴のことを含めて自分の記憶をすべて失わせる。そして１人で霊穴の破壊に向かう。しかし、張殷殷が苦しむ姿に胸を痛めた青衣は、張殷殷を紀若塵の元へ連れていく。顧清は霊穴の破壊をやめるよう紀若塵に説得を試みるが失敗する。そこに吟風も現れ、２人は紀若塵と対決する。

砂漠で目を覚ました紀若塵は、重傷を負った張殷殷と再会する。そこは九幽の祈玉城で、張殷殷は紀若塵の記憶を取り戻す。紀若塵が放つ青い炎を見た祈玉城の城主は紀若塵を救世主と敬う。その頃、孫果が率いる36派が西玄山に襲来し、西玄派から破門された無垢山荘の忘塵（ワンチェン）の弟子・雲舞華（ユン･ウーホワ）が西玄派の結界を破るために攻撃を始めていた。

紀若塵は、ついに修羅塔にたどり着く。一方、孫果たちの西玄派討伐の思惑を知った顧清は、吟風に本当に味方をするのかと問う。修羅塔に入った紀若塵の目の前に、青い炎に包まれた魔君が現れる。魔君は紀若塵の父だと名乗り、1000万年前に三界の支配をもくろむ太一上仙（タイイーじょうせん）が現れたこと、そして紀若塵を手放した理由を話す。

張殷殷は西玄派を助けに戻ることを望むが、紀若塵は人間界に戻った張殷殷が再び自分を忘れることを恐れて引き止める。しかし結局一緒に戻り、済天下と再会する。魔君となった紀若塵が修羅塔を破壊しなかったと知って済天下は怒るが、せめて西玄派を助けるようにと促す。吟風と言い争いが絶えない顧清は、青い石を割って別れを告げる。

孫果たちはついに結界を破り、西玄派に乗り込んでくる。紫陽は弟子たちを逃してほしいと請うが、孫果たちは容赦しない。そこへ張殷殷と紀若塵が現れ、紀若塵は孫果の配下たちを始末する。孫果たちは慌てて逃げ出すが、紀若塵は洛惜塵だけは決して許すことはなかった。そして、紫陽に師匠と弟子の関係を返上すると告げる。

吟風は、紀若塵の攻撃から顧清を守り、さらに自分の仙力も与える。吟風と顧清にとどめを刺そうとする紀若塵を張殷殷が止めに入る。一方、西玄山では、秘密の山守・沈伯陽（シェン･ボーヤン）が李玄真を監禁し、弟子になって後を継ぐように迫っていた。紀若塵は、青墟派で重傷を負った張殷殷を、雲風と共に過ごした思い出の地に連れていき介抱する。

無尽海の主と対面した紀若塵は、すでに無尽海の秘密に気付いていた。紀若塵が魔界から人間界へと送り込まれたのは修羅塔を破壊するためで、すべては無尽海の主や西玄派の掌教・紫微（ズーウェイ）真人らによって仕組まれていた。紀若塵は、無尽海を干上がらせ、滅ぼす。女媧の涙の効果もなくなり、張殷殷は紀若塵のことを思い出す。

蘇姀の元を訪れた張殷殷は、蘇姀から無尽海の主との関係を聞き出す。蘇姀は、紀若塵の変化に戸惑う張殷殷に対し、自分の気持ちをよく考えるよう諭す。青墟派に滞在していた顧清と吟風は、新たに掌門となった虚罔（シューワン）から天書を授けてほしいと請われるが拒否し、たもとを分かつ。一方、紀若塵は張殷殷を捜しに西玄に戻ってくる。

ついに修羅塔が出現し、天地の霊気を吸い始める。修羅塔を止めようとする吟風の前に孫果が現れ、修羅塔の出現は孫果の主人の策略だったと告げる。すべての霊力を手にし、仙界に君臨できると喜ぶ黒幕だったが、ほどなくして修羅塔が突然崩壊する。紀若塵は、修羅塔を破壊するためにあらかじめ塔の中に溟炎を残してきていた。

西玄派の紫微ら全真人は力を合わせて太一上仙を倒そうとするが、敗れてしまう。塔に閉じ込められていた紀若塵は、溟炎を惜しまず放ち脱出し、張殷殷と共に太一上仙と対決する。しかし、張殷殷は襲われ、瀕死の状態に。張殷殷は最後の力を振り絞り、紀若塵に妖丹を託す。紀若塵は、張殷殷から得た力と共に再び太一上仙に立ち向かう。