LOST シーズン1の1の情報・感想・評価

エピソード01
墜落
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appleraich

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○第1話:"墜落" ○原題:"Pilot (Part 1)" ○監督:J・J・エイブラムス ○注目キャラ:ジャック ○あらすじ: シドニー発ロサンゼルス行きのオーシャニック航空815便が乱気流に突入して空中分解、墜落し、48人の生存者が南太平洋上の島に残される。ジャングルからは謎の唸り声が聞こえ、木が倒される。ジャック、ケイト、チャーリーは飛行機の無線機を使って救難信号を送るため、ジャングルにコックピットを探しにゆく。彼らはパイロットを発見するが、彼は飛行機は航路から1千マイル以上を離れて飛んでいたと述べ、救助隊は別の場所を探しているだろうと推測する。さらにその後パイロットは「モンスター」によって殺される。フラッシュバックでは飛行機内でのジャックが描かれる。 ○特色: 「テレビドラマの歴史を変えた“掴み”の教科書」 映画並みのスケールと編集、群像劇としての完成度、そして“謎を提示する力”が異常なレベルで融合している。 ■冒頭10分:歴史的オープニング この回の最大の功績は、冒頭10分だけで視聴者を完全に拘束したことだ。 ・竹林で目覚めるジャック ・突然のジェットエンジン爆発 ・走り回るカメラ、断続的な悲鳴 ・無音→轟音の音響設計 👉 ここには説明が一切ない。 「理解させる」より「体験させる」演出で、視聴者を島に投げ込む。これは後の『24』『ゲーム・オブ・スローンズ』などにも影響を与えた、21世紀型テレビドラマの原点と言っていい。 ■ジャックという主人公像 第1話で描かれるジャックは、すでに完成された人物ではない。 ・医者として「助けなければならない」強迫観念 ・指導者にならざるを得ない立場 ・だが、明らかに“壊れかけている” 👉ここで重要なのは、ジャックはヒーローではなく「責任を背負わされる人間」だという点。 ■群像劇の導入の巧さ 第1話は驚くほど多くの登場人物を出してくるが、混乱しない。 理由は明確で、それぞれが一つの行動・一つの感情として記憶に残るから。 ・ケイト:逃げる女 ・ソーヤー:皮肉屋 ・ロック:謎の男 ・チャーリー:怯える青年 👉 キャラクター紹介を「説明」でなく「行動」で行う、非常に映画的な手法。 ■「謎」の提示の仕方が異常にうまい この回で提示される謎は、説明されないまま放置される。 ・なぜ飛行機は墜落した? ・島はどこの島? ・正体不明の“何か”の咆哮 👉ここで重要なのは、謎は“解かれるため”ではなく“人間関係を動かすため”にある点。 👉 LOSTはミステリーの皮を被った人間ドラマ(=関係性の実験場)か。 ■テーマ:秩序の崩壊と再構築 第1話の核心テーマはこれ。 文明が剥がれ落ちたとき、人は何者になるのか。法も社会もない役割だけが残る(医者、犯罪者、詐欺師…)。だが島では、それらが無意味になる可能性。 ■弱点 ・謎の提示が多すぎる ・説明を拒否する作風 ・キャラ数が多く、感情移入に差が出る 👉 ただし第1話に限れば、これは欠点ではなく武器として機能している。 総括 『LOST』第1話は、「謎で釣るドラマ」ではなく、「人間を孤島に置いた思想実験の始まり」この1話を面白いと感じたなら、おそらく「答え」より「問い」に耐えられるタイプ。 結論から言えば、『LOST』は海外ドラマ人気の「はしり」であり、同時に決定的な転換点である。『ER』『X-Files』『24』など先行作品は存在したが、それらはまだ「個別エピソード中心」「主人公軸が明確」「流し見可能」というテレビ的文法に強く依存していた。『LOST』は、連続性・群像劇・謎の蓄積という要素を前面に押し出し、「追いかけなければ意味が崩れるドラマ」を一般層にまで浸透させた点で質的に異なる。日本でも『24』がアクションの入口だったのに対し、『LOST』は考察型視聴の入口として機能していた。 物語技術の先行性としてまず挙げるべきは、フラッシュバックの使い方だ。従来の回想は人物理解を補強する説明装置でしたが、『LOST』では逆に「この人物は本当は何者なのか」という疑念を増幅させるために使われる。現在の島での行動と過去の行為が必ずしも一致せず、善悪・強弱・被害者性が反転する構造が、物語を単純化させない。これは後の『ブレイキング・バッド』『ウェストワールド』『DARK』に直結する語りの方法だ。 同時に、『LOST』は群像劇と連続ドラマを完全に融合させている。中心主人公は存在するものの、視点が移動し、誰の解釈が正しいかは常に保留される。物語には「正解の視点」がなく、視聴者自身が立場を選び続けることを要求される。この構造はポストモダン的であり、後の海外ドラマ黄金期の基盤になったのだろう。 制作面では、テレビで映画並みの予算と演出を投入した最初期の成功例である点が重要。パイロット版に約1,400万ドルを投じ、実機の航空機を使用し、ハワイロケで自然環境そのものを物語装置として使った。ここで「テレビ=安価」という常識が崩れ、HBOやNetflixによる高予算ドラマ路線が現実的選択肢となったのは記憶に新しい。音楽面でもマイケル・ジアッキーノによる断片的モチーフ中心のスコア、無音や環境音を大胆に使う編集が、感情を説明せず身体感覚に直接訴えかけている。 視聴体験の面でも先行性は明白。『LOST』は考察文化を前提に設計され、公式サイトやARG的仕掛け、掲示板での議論を含めて一つの作品体験となっていた。「観終わってからが本番」という発想は、現在のReddit考察やYouTube解説文化の原型でもある。一方で、Netflix型の一気見ドラマとは思想が異なり、週1放送による宙吊り(クリフハンガー)、反復モチーフ、記憶への訴求を極限まで洗練させた、放送時代の完成形でもある。 テーマ面で特異なのは、娯楽作品でありながら哲学的対立を正面から扱ったことか。科学と信仰、自由意志と宿命、共同体と暴力、トラウマと贖罪といった問題を、答えを出さずに提示し続ける。この姿勢は『ツイン・ピークス』の系譜にありつつ、より大衆的に翻訳されたものであった。 総じて『LOST』は、海外ドラマを「背景的娯楽」から「考察し、語り、人生観に影響を与える作品」へ押し上げた起爆装置となった。単なる人気作ではなく、その後のドラマ制作・視聴文化・批評文化の前提条件を作ったという意味で、はしりと呼ぶに十分な存在だと言える。 さて、1話の内容だが、これは単なるサバイバルドラマや謎解きドラマではない、という感覚が最初から強くあった。違和感があまりに多い。民間人がなぜかピストルを持っている。熱帯の島にシロクマがいる。人々の反応が妙にばらばらで、ある者はパニックに陥り、ある者はわざと苛立つような行動を取り、そしてロックのように、まるで何事も起きていないかのように静かに座っている人物がいる。普通のドラマなら、これらの違和感はすぐに説明されるはずだ。しかし『LOST』は説明しない。不安だけが積み重なっていく。 この構造を見ているうちに、僕は日本軍の孤島事件、特にアナタハン島事件を思い出した。あの事件でも本質だったのは、男女関係や個人の性格ではなく、閉じた共同体に「拳銃」という決定的な力が少数だけ持ち込まれたことだった。秩序や合意が成立する前に、圧倒的な力だけが存在してしまう。正当性ではなく、所有が支配を生む。その瞬間から共同体は必ず歪む。『LOST』に出てくるピストルも、まさにそれと同じ役割を果たしているように見えた。使われるかどうか以前に、存在しているだけで人間関係を変質させる力だ。 さらに考えていくと、この構造は核兵器の出現ともよく似ている。人類は核を手に入れた瞬間、その管理や倫理、意味づけをまだ持っていなかった。技術が先に現れ、ルールは後から追いかける。そして今、AIがまさに同じ位置にある。使う前から世界を変え、判断や責任を人間から引き剥がし、存在しているだけで社会の前提を揺るがす。『LOST』の島は、こうした「力が先に来て、意味が後から作られる世界」の縮小模型なのではないか、という感覚が強くなっていった。 その中で、ロックという人物の存在が際立って見えてきた。彼は秘密を知っている側なのか、それともハッタリなのか。だが観ているうちに、その二択自体が間違っている気がしてきた。彼は「答えを知っている人」ではない。むしろ、「分からない状態に耐えている人」だ。状況を支配しようとせず、不足を数えず、意味を急いで埋めようともしない。その在り方は、マインドフルネスや仏教で言う「足るを知る」に非常に近い。悟っているわけではないが、不足に苦しんでいない。そのため、周囲からは何かを知っているように見えてしまう。 ここで気になったのは、『LOST』の放送当時、マインドフルネスという思想がどの程度社会に浸透していたのか、という点だった。調べてみると、2004年前後では、マインドフルネスは一般社会にはまだ広く普及していなかった。医療、心理学、ニューエイジ、知識人層ではすでに理解されていたが、ビジネス用語でも大衆的価値観でもなかった。しかし映画やテレビの制作者の世界は、常に社会より少し先の空気を吸っている。彼らはそれを教義や言葉としてではなく、態度や身体性として物語に埋め込む。ロックの静けさは、「マインドフルネス」という言葉が流行する前に、その状態だけを先取りして描いたものなのだろう。 だからこそ、『LOST』はネタバレに極端に弱い作品だと感じた。答えを知ってしまえば、不安は情報に変わり、視聴者は登場人物と同じ立場に立てなくなる。このドラマが共有しようとしているのは、謎の正解ではなく、「分からない世界に投げ込まれた状態そのもの」だ。ネタバレありで観てしまえば、その体験は根こそぎ失われ、制作者の意図はほぼ台無しになる。 このドラマのあり方には、『HEROES』と共通する強い時代性も感じる。9.11以後の世界観、説明不能な断絶、群像劇、断片的理解。現代のドラマが世界観やルールを早々に説明してしまうのに対し、この時代の作品は「分からない状態」に視聴者を長く置くことを恐れていなかった。その不親切さ、不安の放置こそが、今になって逆に鮮明に見えてくる理由だと思う。 こうして振り返ると、僕が『LOST』を観ながら感じた違和感や連想は、すべて一本の線でつながっている。孤島事件、核兵器、AI、マインドフルネス。それらはすべて、「力や技術が先に現れ、意味や倫理が後から追いつく世界」で人間がどう振る舞うのか、という問いに集約される。『LOST』はそれを物語として説明するのではなく、体験として味わわせる作品だ。 この視点で観る限り、『LOST』は決して古いドラマではない。むしろ、今まさに私たちが生きている不安の時代を、すでに一度、先取りしていた作品として、異様なほど現在形に見えてくる。
ベイ

ベイ

「得体の知れないバケモノ。」
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丸太おばさん

丸太おばさん

あの、LOSTをついに見た! グロイ!! でもハマった🥰
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チャア

チャア

ちょっとん?って思うところが多くて見るのやめようかと思ってたけどレビューみたところ面白いそうなのでもうちょい粘る
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あじゃこ

あじゃこ

訳ありな人々が飛行機墜落で島に取り残される! チャーリーは有名バンドメンバーで薬中毒?
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パスカル

パスカル

かの有名なLOST!! ↓の人と同じく予備知識なかったので人間同士のサバイバルかと思ってたら全然違った🥹🥹 エイリアン系なの?! 戦うの?生き残りをかけたサバイバルはそうなんだよね??笑 話数長過ぎるので離脱しそうだけどチマチマみます✌️🤍
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MC特級ねこ師

MC特級ねこ師

見始めました。予備知識なしで見たから思ってたのと全然違った!(良い方向に) てっきり無人島で生き残りをかけた人間同士のサバイバルゲームが始まるとおもてた。 そーだよね、jjエイブラムスだもんね、モンスター出てくるよね。
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Krate

Krate

顔見せエピソード。初回から惹き込まれるし各キャラの個性が出ていて良い。パイロットは墜落を生き延びたのに、あの最後は酷すぎる。
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gou

gou

このコメントはネタバレを含みます

パイロットの死体ぐろい
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カズくん

カズくん

2024.08.30 めっちゃ久しぶりに観たけど、久しぶり過ぎて全く覚えてない… 得体の知れないバケモンなんか出てきたっけ⁉️
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inakamono

inakamono

Netflixで冒頭だけちらっとのつもりが… 皆、初々しい。
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Sankawa7

Sankawa7

Netflixで配信してて久しぶりに見始めた 既視感なくはないが強烈な導入 メインキャラのキャラ立ちが先に来てだんだん背景がわかる方式 しかし全シーズンで凄い話数だ
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ココ

ココ

爆発寸前のエンジンの横走る主人公わろ。危ねぇって
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cuziam

cuziam

チャーリーおもろ
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おふとん

おふとん

久しぶりに観たけどやっぱり面白い
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