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デアデビル シーズン1のBMBのレビュー・感想・評価

デアデビル シーズン1(2015年製作のドラマ)
4.0
アクションは血生臭くて痛々しいし、ストーリーもなんだか地味で、本流MCUみたいな華やかさも、ウィットに富んだセリフも派手なCGも無い。
でも、だからこそ地に足ついた生々しいヒーロー像がリアルに感じられて、すごく楽しめた。

全体的にはリッチじゃないバットマンって感じだった。
街を愛してるとか、(超感覚を除いて)超人じゃないとか、不殺の誓いに苦しんでるとか共通点が多い。
受けた傷を縫ったり、そのダメージを数話に渡って引きずったり、ヒートテックみたいな格好で戦ったり、普通の人が頑張ってヒーロー活動をしている描写が沢山あるのが良い。

ストーリーは堅実に進んでいくし、適度に挟まる衝撃展開のおかげで飽きることがない。主要人物があっけなく死んでしまうのもMCUでは中々無いからいちいち驚いた。

登場人物はみんな魅力的だけど、中でも一番良いのはフィスクだった。
ビジュアルからして危険人物だし、大物悪役っぽい登場をするんだけど、最初にやることが精一杯の勇気で女性をデートに誘うってとこに意表を突かれた。その後も、豪快なのか繊細なのか、聡明なのかアホなのか、話が進むにつれて色々な面を見せてくれる。敵が単に大きな野望を持つ悪党ではなくて、簡単には測れない複雑な人間として描かれてるところも他の多くのMCU作品と一線を画してると思う。

マットも良かった。
ケレン味ある性格づけはされてないけど、背景や行動に説得力があって魅力的なキャラクターだった。
回想の父親とのシーンが好き。

終盤、主人公達の活躍とあまり関係ない内輪揉めでフィスクが追い詰められたり、マットとフォギーの仲違いがきっかけなく解消されたりするのはイマイチだった。
だけど、世界観にまったく馴染まないほどヒーローらしい新コスチュームのデアデビルが登場する場面は盛り上がったし、今後のシーズンが本格的なヒーロードラマになる期待が持てた。

NetflixのMCU作品はなんとなく敬遠してたけど、全くの間違いだったと後悔するくらい面白かった。
ここ数ヶ月のMCU作品でマットとフィスクが割と元気そうな姿で登場してたけど、このドラマではどういう決着をつけるのか気になる。
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