土方龍馬

白夜行の土方龍馬のレビュー・感想・評価

白夜行(2006年製作のドラマ)
4.2
これより先に同じ東野圭吾作の「幻夜」を見て、かなり引き込まれたので、それの関連作のこの作品を見てみたくなった。それでParaviに一月だけ入って一気に見てしまった。

「幻夜」の方は深田恭子の悪女っぷりが凄まじく、最後まで救いのない、こんな終わり方していいのだろうかと思うような終わり方だったのに対し、本作品は綾瀬はるかの悪女が確かに悪女ではあるが、その基本線に「守ろうとする人間への純粋な愛」があったことが大きな違いであった。その「純粋な愛」は大きく人の道を踏み外したものであったが、それ故にそのひたむきさが痛く、切なく、心に刺さった。方向性はかなり違うが、こういう切なさ、思う相手への純粋さ、心への刺さり方をしたのはジブリ映画の「蛍の墓」以来だ。

余談であるがとても心配なことがある。それは主人公二人の子役がどうなったかだ。こんな役(親殺しをしたり、性的凌辱をされる役)を小さな頃に演じて、その後の人生に大きな影を落とさなかったのだろうか。精神的におかしくなっても不思議はない。二人のご両親はよく出演を許可したものだと思う。
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