ウゴ

ウォーキング・デッド3のウゴのレビュー・感想・評価

ウォーキング・デッド3(2012年製作のドラマ)
5.0
再び新たなる安息地を求めて旅立つリック一行。やがて彼等は刑務所にたどり着き…というのが今シーズンのプロローグ。
シーズン2には話の展開がすっとろいという欠点があったが、今シーズンでは幾分かその欠点も改善されている。
今シーズンの特質すべき点としては、主人公リックとその息子のカールの性格の変化であろう。どちらの心にも闇が生まれ、二人は狂気に侵されていく。しかも相変わらず世界観は荒廃しており、また、狂気に飲み込まれているのは何も二人に限った話ではなく、物騒な思想を持つ人間も数多く登場する。哲学者ホッブスの言葉を借りれば、自然状態に置かれている世界では、文明や道徳、ましてや法など出来上がる筈も無いのである。
そんな地獄のような世界の中でも、登場人物達は希望の光を探し出し、あがき続ける。本作ウォーキング・デッドは、単なるゾンビ物というジャンルに留まらない。アメリカ人、ひいてはアメリカという若い国の根底に流れる精神性である、開拓者精神を雄々しく描き出した傑作なのだ。
ウゴ

ウゴ