「君の言葉は君を罪人にはしない だがクソ野郎にはする」
これまででいちばん絶望し、それでいて心を動かされるシーズンだった。特に最終話。
サシャを諭すエイブラハムのやさしい眼差しと言葉にグッときた。こんないい男、惚れてしまうに決まってる。
未来を担う者と、それを命を懸けて守りたいと願う者。そして、その遺志を受け継ぐ者。
世界が終わったあとでも、命を懸ける価値があると確信するほどに、他者に光を見出せる彼らの心。人間の弱さ、ずるさ、汚さにこんなにも打ちのめされて、それでもまだ誰かを信じる、愛する、明日を見るって、もうたまらなくなる。
(既存の曲を当てはめる系のオタクは、「炎」を思い出したよ。そして泣いた)
それなのに、そんな彼らを笑顔で踏みつけにするニーガンがやたら魅力的に見えてしまうときがあるのは、一体どういうことなんだろうな。
そして最後に、やはりキャロル。リック、ダリル、モーガンなど、闘う男たちが大真面目に「キャロルが知ったら皆殺しにする」「もっとも戦闘能力がある」と評価する人。刑務所では冷徹に思えた彼女が、ほんとうは誰よりも愛情深くて、胸の内に恐れや苦しみを抱いていたんだよな。テキパキとお菓子作りをするキャロルも、毅然と銃を構えるキャロルも、どちらもキャロルで、どんな姿でも大好きだよ。