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PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024のmaのレビュー・感想・評価

4.5
おかえりPICU。
おかえりしこちゃん先生。

冒頭の前作ドラマダイジェストから既に号泣。どうか映画を制作してくれないものかと当時は願ったが、スペシャルドラマというのが、なぜだかなんとなく、武四郎に似合っているような気がしている。

夢の中の南ちゃんがあまりにもチャーミング。武四郎の相変わらず粗雑な物言いに、南ちゃんがパッと明るく笑いながら返すのが、愛おしくて、愛おしくて。

幼い子どもが絶望の中にいて、自分を責めたり、「死んじゃいたい」とこぼす姿ほど心を打ちのめすものはない。悲しみをしっかりと受け止め、自身もひっそりと傷つきながら、それを飲み下して子どもたちに笑いかける武四郎。誰よりもかっこいいよ。先生たち、ほんとうにお疲れさまです。

瀬戸くん、武四郎のことは終盤までずっと舐め腐りすぎていたけど、ちゃんと患者に愛があるのは伝わっていたから、大切なことをPICUから学べてほんとうによかったね。武四郎の強さ、かっこよさに気づいてくれて嬉しかった。

医者は魔法使いじゃない。「命を救うことが正しいと思っていました」という植野先生の言葉と涙。医者の領域ではないと頭では分かっていても、患者とその家族を想うからこそ背負ってしまうやさしさ、心が傷つく音にこちらまで泣いてしまう。

そして幼馴染みの中でただひとり、子育てをしている桃子。彼らのいつもの距離感だったら桃子の苦悩に気づきそうだけど、子育ての経験のなさゆえに、桃子の小さなSOSに気づくことができなかったというのがまたリアルだ。

とても丁寧で、生と死に誠実で、医療従事者の方々に改めて感謝を伝えたくなる作品。またPICUのみんなに会えますように。

しこちゃん先生、がんばれ。がんばれ。
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