昭和のセクハラパワハラ真っ盛りの最悪親父が令和にタイムスリップ!不適切な発言をぶちかましながらも、コンプライアンスと多様性という鎖でがんじがらめになった現代にまっすぐ切り込んでいくクドカン作品。
第1話を初めて観たとき、ミュージカルが大好きなわたしの心がまったく動かず、ハマれもせず、ただ「阿部サダヲと吉田羊が歌うのを見られるなら、、」というだけで最終話まで追った作品だった。
しかし迎えた最終話、野球部の子たちのお尻をボコボコぶっ叩いていた小川先生が「子どもたちが未来をつくるんだから」と当然のように言うのにはちょっぴりグッときたし、「付き合ってみますか?」も「何でもいいから恩返ししたい」のシーンも良かったな。
昭和と令和、どちらが良いということは決して無く、どちらもそれなりに生きづらい。だから困っている人や悩んでいる人に手を差し出す勇気を、寛容さを持ち続ける思いやりを、そして困っている人や悩んでいる人自身が助けを求められるような社会づくりを。
本来難しいテーマをコミカルに軽やかに、それでいてごまかすことなく描いてみせるクドカンの手腕はやっぱりさすがだよなあ。