Qちゃん

六番目の小夜子のQちゃんのレビュー・感想・評価

六番目の小夜子(2000年製作のドラマ)
4.2
今や大御所となった恩田陸の処女作のドラマ化。これリアルタイムで何本か観て、その雰囲気に惹かれつつ恐れつつ、独特な世界観にハマって、小説版も読んだなー。そんな私は今やがっつり恩田陸のファン。

この時の栗山千明、原作で思い描いた沙世子そのもの。ほんとに、後にも先にも、こんなに津村沙世子が似合う子がいるだろうか。栗山千明の美貌、ほんとにデビュー時から全然変わらない。色褪せない。むしろますます美しい。

彼女の圧倒的な美貌と妖しげな魅力が、完全にこのドラマの雰囲気を盛り上げている。対照的な杏ちゃんの温かめの可愛らしさも良い対比。他の子たちは演技がやや微妙だが、この時分のドラマではかなり雰囲気もあって、よくできてる方な気がする。

好奇心と恐怖感に溢れる子供たちの主観的に煽って描くの上手い。いま大人になってからの目線でよくよく観ると、なんか結構名前や見た目や能力で悪目立ちしちゃって孤独な転校生の沙世子ちゃんが気の毒だったり、学生諸君とにかく落ち着けと思えるんだが、リアルタイムに自分が中学生の時にこれ観た時には、ひたすら沙世子に恐怖と畏怖と憧憬のようなごっちゃの念を抱きつつ、このドラマと彼女のミステリアスな雰囲気をただ恐ろしいと感じていたなーと思い出す。

本ドラマ、確か原作小説版と、犯人というか結末が違ったはず。当時は物足りないと言うかベタな青春ものに落とされてガッカリと思った記憶もあるが、この、大人から見たこの一連の騒動という目線から紡いだ感じの顛末、なかなか子供たちへの学びがある良い話だなと思えるようになった。
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