ワイカ

ザ・クラウン シーズン4のワイカのレビュー・感想・評価

ザ・クラウン シーズン4(2019年製作のドラマ)
4.6
 ついにダイアナ妃とサッチャー首相が登場。この時代の2人の話は子供の頃ニュースなんかで観てた記憶が朧げながらあるから、これまで以上に感情移入できました。
 
 ダイアナ妃って、直前に読んだエリザベス関連の本では、王室内では奇行が目立ってたのにカメラの前では天使を演じるしたたかな女性だった、みたいに説明されてたから、実は嫌な女だったのねと思ってたけど、このドラマではその悲劇的な背景がしっかり描かれてて、すっかり同情しちゃいました。

 彼女って、婚約してバッキンガム宮殿に囲われた時はまだ10代だったんだすね。知らなかった。そして結婚してもダンナは公務で家にずっといない上、最初から別の女と関係を続け、周りの人たちも全然寄り添ってくれないとか、そりゃおかしくもなるわ。

 王室に入るとはそういうことだ、ダイアナは自覚が足りなかったって声もあるだろうけど、ハタチそこそこの子供にそれを求めるのは酷だと思う。そこはやはり王室の連中がしっかりケアすべきだったのでは。

 ダイアナを演じた女優さんはすごいかわいかった。ジョディ・フォスターの若い頃を思わせるルックスだけど、ダイアナの小悪魔的で儚げな雰囲気もまとってて、観てるうちに本人かと錯覚するくらいだった。あとこの時代の英国ポップがたくさん流れて楽しかった。

 サッチャーも、鉄の女としての冷たい側面だけでなく、母親、妻としての人間味あふれるところが描かれてて意外だった。首相をやりながら、家では家族にちゃんと料理も作っていたなんて。家事のことで「それは妻の役目よ」みたいなセリフがあって、この人ホントにすごい女性だったんだと思った。

 演じた女優さんも役になりきってて、喋り方とかそっくりだった。ちなみに私はフォークランド諸島の場所をこのドラマで初めて知りました 汗。

 チャールズの猫背や情けない感じもそっくりで感服。女王役のミスキャストや他の俳優陣の魅力の乏しさは、彼ら3人の演技のおかげで、今回はあまり気にならなかったです。

 チャールズはどうしようもない男だけど、シーズン3まで観た限り、彼があんな性格に育ったのもエリザベスやフィリップや王室のせいみたいだから、ちょっとかわいそうに思っちゃった。

 とはいえ、カミラとの仲はダイアナとの関係が冷えてから復活したと思ってたから、ずっと続けてたのは酷すぎる(これも子供の頃に母親の愛を受けられなかったから、年上のカミラに母親を求めたって言われてるけど、それでも世間の常識から外れすぎ)。カミラ役の人が実物よりブスに見えるのは作為的な配役を感じました 苦笑。

 このストーリーってどこまでホントなんでしょ。登場人物たちの2人だけの会話なんかは、かなり想像が入ってるのかな。アパルトヘイトの回で登場する、辞任した王室広報は、その後作家として成功したってことだけど、この人の証言も入ってそう。

 何はともあれ、まだ生きてる人たち、しかも王室のことを恥部含めてここまで克明に描くとは。ネフリってすごい。日本の皇室もやってほしい 笑。
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