とぽとぽ

マスター・オブ・ゼロ シーズン3のとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
なぜ人間ってこうも退屈なんだろう?子供を持つ勇気。誰かのワキの下を毎日死ぬまでナメるようにスローでハード。ゆっくりで重いワンシーンワンカット、起承転結の長回し。これを『マスター・オブ・ゼロ』という作品でするという意味、挑戦的なシーズン。原題 Moments In Love、納得。
主演としてでなく脚本監督を務めるクリエイター仕掛人としてのアジズ・アンサリの才能。自身もカメオ出演程度に軽く出ているけど、基本的に裏方に徹している。最初から観客にいわゆる受ける、手放しで称賛されるような気などなさそうな作りで、本当に語りたいことを語る。引いて見守るような眼差しが観客に感情を強制しないで、感じさせる。
私たちなにもかも最高なビッチ。それを可能にしているのは紛れもなく主演ふたりの演技と化学反応、流れる自然体な空気。往々にして気まずい、その場に居合わせるような感覚。画は動きや奥行きがあるというよりは、写真的でもあるけど、それもこのスタンダードサイズのように狭い画角の中で効果的に思われた。成功と家族を持つこと、傷口に塩を塗る思い出も時と共に笑い話となって癒えるのだろうか。

全く違うけど勝手に自分の今の状況も重ねてしまって辛くなった、自分の人生が今どん底なせいか余計に刺さってしまった。

bad bitch
Everything is wonderful.
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