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DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機のとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
クソ喰らえ!業界は政府とズブズブ…裏から牛耳っているどころか内部へ入り込んで腐りきっているシステムに反吐が出る。『評決』『インサイダー』『エリン・ブロコビッチ』『ダーク・ウォーターズ』『ミナマタ』など(非常に残念ながら)本作に限らず世の中では他にも繰り返されてきた、己の利益のため利己的大企業が見て見ぬふりして人々を苦しめてきた命を屁とも思わぬ巨悪が本当に心の底から許せない。即刻罰せられくたばってほしい悪の権化そのもの、カネ中毒の邪悪な一族。
マイケル・キートン✕ケイトリン・デヴァー、ピーター・サースガード、ロザリオ・ドーソン、ウィル・ポールター、そして憎き敵側マイケル・スタールバーグと豪華アンサンブルキャストが織り成す苦痛を伴う過程。少し群像劇のように各所様々なキャラクター登場人物たちが時代があっちこっちに行き来する語り口で、+登場人物も多いから少しややこしくもなりそうだけど、実際見ているときれいに整理されているのだろう、そこはあまり気にならなくなっていく。かつ、主には"今"捜査パート(2005〜)と"昔"事件当時の過程(〜2002)という2本柱なので、本作に限らず結構色々な作品で見るもので、そこまで難しくない。『大統領の陰謀』よろしく正義感に燃える検事2人がメインにいながら、主人公として診療所の町医者ポジションのキャラがいて、彼が業を背負い、また自分自身も苦しみ…というドラマに一視聴者として引きつけられた。
あらゆる怖さが詰まったような作品だったけど、それらとどう立ち向かうかも描いていてよかった。人生のセカンドチャンス(※間違ってもサックラー家のことではない!)、差異を伴う反復が示す"痛み"を乗り越え、よりよい自分になること。

ピルミル
棄却を!
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