ねまる

サンタクラリータ・ダイエット シーズン1のねまるのレビュー・感想・評価

4.3
少々グロ耐性がある人になら、誰にでもおすすめしたいゾンビコメディ。
『ヴェノム』の監督のゾンビものではあるんだけど、それよりも、急に母親がアンデッドになってしまう非日常を、なんとかしようとする家族の姿が愛おしいホームドラマ。

色々思考回路がズレていることに、そんなわけないだろっ!って笑いながら突っ込んでいながらも、なんだかんだ家族の温かみでじんわりハッピーになる。
毎晩30分寝る前にゲラゲラ笑って、でも最後は幸せな気持ちになって、観るのが楽しみだった。
もう一度言うけど、多少のグロ耐性は必要です。

どうなっちゃうの?と引き込ませる展開、
キレッキレのツッコミが気持ちいい台詞回し、
変人たちなのに愛すべき登場人物たち。
Netflixの初期にこんな最高なドラマがあったなんて知らなかった。
『マインドハンター』と並んで、2大早く続編作れやNetflix、案件になりました。早く作れや。

特にお気に入りは、5話。
隣の警官に、極悪犯の殺害を頼まれる回で、素人殺人の下手くそさに笑っちゃう回。
なんだかんだ向こう側にはいけないジョエルのしょぼんとした感じも可愛いの。

この家族、格好良い妻シーラと可愛い夫ジョエル、頼りになる娘という構図は固定。
だんだん衝動が抑えきれなくなるシーラだけど、妻であり、母であることは失わないので、愛すべきキャラクター。アンデッドではない状態のシーラはほとんど描かれず、回想シーンもないのに、シーラという人間にすごく愛を感じる。アンデッドになって以降、シーラとジョエルは家族における妻夫の役割が逆になっているようにも感じられるのに、本当に理想的な夫婦像なので、妻・夫の役割なんてそんなもの存在しないのかもね。

ジョエルの素敵なところは、シーラのことを否定しないこと。シーラからどんなに突拍子もない言葉が出ても、必ずYesから返して、honeyと呼びかける。その時の作り笑顔が可笑しいんだけど。あの引きつった表情見てるだけで笑える。
この2人から生まれてきたのが不思議なほどしっかりした娘アビーも、犯罪に加担することより、家族に隠し事されることの方が嫌というところの可愛さよ。エリックも本当良いキャラしてる。
メインの登場人物は4人しかいないようなもんだけど、シーラ、ジョエル、アビー、エリックがもう家族のように愛おしい。
私もいつの間にやらこの家族の一員みたいになってるんだよね。

こんなに面白いシーズン1なのに、さらに面白いと評判のシーズン2。
またこの家族に入れてもらえるのが楽しみ!
ねまる

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