かりん

THE WIRE/ザ・ワイヤー シーズン1のかりんのレビュー・感想・評価

4.9
IMDbの点数が9点台と非常に評価が高いことが気になりAmazonで。
ドミニクウェストが好きなので我慢できたものの、最初はタイプライターとか出てきてマジかよって止めようかと思った。
セリフも説明が少なく、この何が問題なの?どういう意味?と頭の中が??マークだらけに。分かりにくい。登場人物も多いし。
いや、観るのやめなくてよかった〜。
途中から一気に面白くなります。最初を乗り越えたら止まらなかった。
主人公以外にも、仲間の警官たちや、麻薬組織のメンバー、タレコミ屋の麻薬常習者まで、それぞれの物語がある。そしてそれがみんな面白い。みんなそれぞれ、弱みや汚いとこがある。主人公なんて不倫して離婚。でもめっちゃ優秀。そして昇進とか一切考えないあの度胸。すごい。仲間の刑事の1人は本当カスって思ってたら情報捜査の天才だったり。個性が光っててすごく面白いのだ。
リアルなことでかなりの評価を得ているらしいこのドラマ、特に描かれるのが警察内部、特に上層部の腐敗。これがとことん現場の刑事たちを邪魔しまくる。逮捕できたらいいじゃん、って普通の刑事ドラマ見てたら思うけど、違うんだ、そこではまだ逮捕したくないんだ、もっと真っ黒な真相を引きずり出して悪の根源を引っこ抜きたいのに…ただ体裁のために令状取ったりしやがって…とイライラがすごい。

役者も豪華。
ドミニクウェストはイギリス人であのイートン校出身でめっちゃ上流階級の出だよね…顔はインテリヤクザだけど。このアメリカのクタクタの生え抜き刑事役があまりにも見事でさらに好きになりました。また30代とあってとてもお若くてかっこいいのです。
麻薬組織のno.2にイドリスエルバ!貴方もイギリス人だよね?でもイドリスはガチで若い頃麻薬売ってたらしいので本領発揮か。とても若いのでこちらもカッコいい。ちょっとインテリ役です。
あと、笑っちゃうのがマイケルBジョーダン。まだ10代で今のような筋肉も無いしヒョロヒョロなんですけど麻薬組織の下っ端を演じてます。これがまた良い演技するんです。心根の優しいお兄ちゃん…。まさか10数年後ワカンダに帰るとは…。
あとはジャックライアンで上司をやってたウェンデルピアースとか。
ラストは綺麗にはまとまりません。でもこれがリアルなんだと、すごくしっくりきて。誰もが昇進、体裁、保身など考えなければ、今頃どれほどの犯罪者が正しく裁かれていただろうかと思わずにいられない。そしてそんな腐った警察組織の中でも必死に真相を探っていこうと身を粉にして働く警察官たちには本当に頭が下がる。シーズン2にも期待。
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