ふじこ

イン・トリートメント/セラピスト ブルック・テイラーのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

まぁ…面白くはなさそうだな?と思って観始めたら面白かった。1話から引き込まれてしまった。
黒人の中年女性であるセラピスト ブルック・テイラーと、彼女の元でセラピーを行う3人の患者、そしてブルック自身の抱える問題を描く作品。
1話に1人、4話で4人分の一週間を六週間分で全24話。

セラピーを受けた事はないし、勝手な思い込みと願望が混ざっているのだけれど精神科医やセラピストには人生に全くトラウマも問題もなくって、一人ひとりに真摯に向き合い、個人間の相性があっても子供の頃見たような"大人"であるもの…って感覚があったけれど、セラピストであるブルック自身かなり問題を抱えているのに驚く。

立派な建築家だった父親の期待に応えたい一心で顔色を窺い褒められそうな事はなんでもしたから成績は優秀だったし、父が設計した立派なお家で社会的信用の高そうな仕事をしている。
けれども一方的に褒められたい、認められたいと思っていた父親との関係はどこか歪であったし亡くなってから女性と同棲をしていた事を知るも"秘密があっただけよ"と自分のショックだった気持ちから目を逸らそうとしたり、何よりアルコール依存症を再発したりもする。
若い頃を一緒に過ごした男性と今もまた関係していて、依存症の関係で知り合って10年来の仲である友人にも、過去じゃなくて未来を見なきゃ と忠告されるも問題を先送り。同じように元依存症である友人は今すぐに立ち直る気のないブルックから離れて行ってしまう。

この状況で他人の心を分析出来る…?とも思うんだけども、セラピストも医者もどんな立派な人も、人間なんだよなぁって…。
みんなが上手く行くと良いなぁと思える最後だった。

ブルックはアダムと居ない方が良いとは思うけど、アダム自体が悪い男な訳じゃないのが複雑ですなぁ。
ふじこ

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