良かったなぁ。
やっぱ渡辺謙て絵になる役者よな。
戦前、戦後の時代や運命に翻弄される日本画家(渡辺謙)と、その家族(広末涼子、寺田心ら)の様子を見つめることになるのだが、「わたしは正しい」と胸を張れない画家の心境が終始重苦しくのしかかってくる。
それが何故なのかを紐解いてゆくドラマなのだが「ではどうすれば正しかったのか」という答えを出すための物語ではない。
世間にどう評価されようが、自分の理想といかに遠かろうが、自分のウツワで生き、それで世に問うていくのが人生というものだろう。
理想を持つなというのではない。己と向き合うしかないということだ。そうすれば理想的な収穫がなくても、手にした果実の真価がわかるのだろう。