このレビューはネタバレを含みます
実に硬派なドラマ。散々色んな所で擦られた実話を元にした作品なので、手口も結末も全部知っているが故に退屈に感じてしまったのが残念だった。
それだけ派手な動きもなく、脱獄するまでほぼずっと刑務所の中。
その分、いざ外に出てからの開放感は良かったなぁ。
最終盤になってから、それぞれ3人の過去が描かれる構成も良かった。
どうしようもないゴミみたいな女ティリー、それでも夫は愛してくれているのに、やっぱり根っからのものってどうしようもないのかなあ。
ベニチオ・デル・トロ久しぶりに観た気がするんだけど、脱獄計画を実行するまでは頭脳で頼りになる感じだったのに(穴掘ったりはしないけど)、脱獄してからは一転足手まといも甚だしい変貌っぷりはなんだったんだろう。
ポール・ダノ演じる相棒の男は逮捕後、一人になってからは何倍もの速さで進みカナダは目前だったと教えられても、それでも"刑務所の中は口約束が全てだ"、"置いていく事なんて考えなかった"と証言する。変なところで義理堅かったお陰で刑務所に逆戻り…。
まぁ全員犯罪者なんだけど。
主要3人の演技も素晴らしくて、地味とか言ったけどよく出来ていると思う。