にくそん

わたし、定時で帰ります。のにくそんのレビュー・感想・評価

わたし、定時で帰ります。(2019年製作のドラマ)
3.9
「わたし、定時で帰ります。」、どの回も楽しんで見た。働き方でも何でもそうだけど、“周りのムード的にはこうするのが正しいってことになってます”みたいなところへ、人生とか幸せとか、もっと大きな視点で見て「ちょっと違うんじゃない?」って斬り込むの、いいと思う。

吉高由里子さん、この役ハマってた。仕事はデキるけど無理しすぎないタイプで、面倒は避けたいけど、周りがよく見えるもんだから、つい心配したり世話を焼いたりする人情家。本当の吉高さんがどういう人かは知らないけど、パブリックイメージにはすごく近い。だからなのか、多少クサい演出があっても鼻につく感じがなかった。

社内の“スター”の描かれ方が好き。晃太郎(向井理)や結衣(吉高由里子)について、同僚たちがその仕事ぶりや能力を認めているのが、さりげなく描写される。ベテラン社員が「俺あいつの仕事ぶり見るの好きなのよ」とか「あんたの集中力で残業したら消耗ひどいでしょ」とか言う。

ものすごく素朴な称賛が普通の職場の普通の仕事にあるのっていいな。広告代理店のクリエイティブとか、銀行の融資担当とか、外科の機械出しのナースとか、そういう“いかにも”な仕事じゃなくたって、どの会社にでも「俺らのエース」みたいなのっていると思うし。エースが別に普段は過度にちやほやされるでもないのがまたリアル。「あー、○○さん仕事できるもんね。ああいう働き方はしたくないけど」みたいな突き放し方いいねいいね。
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