ブタブタ

仮面ライダーBLACKのブタブタのレビュー・感想・評価

仮面ライダーBLACK(1987年製作のドラマ)
5.0
【仮面ライダー50周年記念】として続々と、それこそ信じ難い様な企画・作品の数々が発表されましたが中でも個人的には庵野秀明監督による『シン・仮面ライダー』よりも
「え-(;゚ロ゚)-!」と驚いたのが白石和彌監督による『仮面ライダーBLACK』のリメイクというよりも完全新作である『仮面ライダーBLACK SUN』!!!!
正に「その時不思議な事が起こった」レベルの奇跡である。
『仮面ライダーBLACK』に関しては並々ならぬ思い入れがあるし自分と同じ思いのファンは数多くいると思うので白石和彌監督には期待してます。

時代的には昭和と平成とちょうど狭間。
昭和ライダーが終わり平成ライダーはまだ始まらない。
正直コンセプトやその他諸々成功とは言い難い『新・仮面ライダー(スカイライダー)』『仮面ライダースーパー1』から何もかも一度リセットして原作者石ノ森章太郎自身による『仮面ライダー』の完全リブート、そして石ノ森章太郎原作漫画との同時スタートと満を持しての新たな、そして原点に帰っての『仮面ライダー』だったし、その完成度はシリーズでも一二を争う出色の作品。

南光太郎と秋月信彦の親友であり兄弟同然の二人が共に悪の組織ゴルゴムに改造され世界を支配する次の「創世王」となるべく「世紀王」として殺し合う事に。
しかし光太郎は脱出し悪と戦う正義のヒーロー・仮面ライダーBLACKとなりゴルゴムと戦う。
そしてこのBLACKの新機軸として親友である信彦が主人公と同等の存在である悪の仮面ライダーとも言うべき存在シャドームーンとして登場する。
今ではすっかりお馴染みの「悪のライダー」「ダークライダー」の第1号とも云うべき存在。

スーパー1終了後、次のライダー新作の企画を石ノ森章太郎先生は立ち上げるもなかなか同意を得られず、企画に興味を持ち作品制作に参入したのは『宇宙刑事ギャバン』に始まる【メタルヒーロー】シリーズのプロデューサー、スタッフ達であり、だからBLACKは新たな仮面ライダーのオリジンながらそれ迄の仮面ライダーとはどこか異質であり、よりハードで苦い結末などそれ迄のヒーロー然とした昭和の仮面ライダー達とは違う平成ライダーへと通じる印象も受ける。

特にシャドームーンは『ジャスピオン』に登場したダークヒーロー「マッドギャラン」の流れを汲む、それ迄の仮面ライダーにはなかった「悪のヒーロー」としてのデザイン、造形、キャラクターの完成度など、やはり之はメタルヒーローからのフィードバックだと思う。
そして此処で『仮面ライダー』における藤岡弘(現・藤岡弘、)のバイク事故というアクシデントが奇しくも「仮面ライダー2号」を生んだように『BLACK』でも秋月信彦役の俳優がシャドームーン登場前に引退してしまうという想定外のアクシデントが起きる。
代役も検討されたらしいですがスタッフが出した結論は「人間態なし」でシャドームーンを描く。
その為にシャドームーンの表情は当然ながら仮面の終始無表情であり声を担当したてらそままさきの感情を抑えた渋い声の芝居もあってその感情や真意は最後まで分からない。
ダースベイダーに匹敵する悪役であり名キャラクターになったと思う。

『仮面ライダーBLACK』はこのTV版以外にも複数のストーリーがある。
放送当時、同時進行で少年サンデーで連載していた石ノ森章太郎による漫画版『仮面ライダーBLACK』
TV版とは細部含め可也ストーリーも違っており、ブラックサン(BLACK)とシャドームーンは同じデザイン、そして結末がTV以上にハード。
未来に飛ばされた光太郎が見たのはゴルゴムが支配する暗黒の世界で、そこで自分及び信彦の変身した姿とそっくりな「創世王」に出会う。
現代に戻った光太郎は信彦を倒す。
つまり未来で世界を支配している創世王とは自分なのか?
という謎が残り後味悪いバッドエンド(之は平成ライダーにも受け継がれていると思う)

更にホビージャパンにて連載中のSiCアクションフィギュアの作例を使ったオリジナルストーリーを展開する『SiCヒーローサーガ』ではBLACK及びBLACK RXのその後のストーリーや、フィギュアオリジナルでは光太郎と信彦の立場が逆転してシャドームーンが仮面ライダーアナザーRXになっていたりBLACKが(漫画版の様に)創世王ブラックサンになっていたりパラレルワールドの『BLACK』が展開されましたが白石和彌監督による『仮面ライダーBLACK SUN』は想像するに『仮面ライダーAmazons』と同じく「連続ドラマ」「大人向け」であると思われます。
更にハードな仮面ライダーBLACKを期待しています。

それからここからは非常に憤懣遣る方無い嘗て仮面ライダーBLACKを演じたあの方への一ファンからの苦言ですが(何やらかしたか詳しくは検索して下さい)仮面ライダー(に変身する人)と其れを演じた俳優は勿論別の人間であり全く違う存在だって事は分かってます。
仮面ライダーでデビューし俳優として活躍してる人。
そして仮面ライダー以後消えていってしまった人。
BLACKだった人は俳優として決して大成はしなかったかも知れませんが長年に渡りファンに愛されリスペクトされ『ジオウ』ではBLACK、BLACK RXのW変身を見せるなど仮面ライダーを今も愛してくれている、仮面ライダー俳優としてファンが望む理想の姿を見せてくれてました。
にも関わらずこの様な事に至り大変残念としか言い様がありません。
BLACKを無許可でステーキ店の宣伝に使ったりしたりファンの集いを勝手に開いたり色々と法に触れる事も多々あり、最早許される事ではありませんが何より許せないのは、これだけBLACKを利用するだけしておいて批判された途端に「仮面ライダーは好きじゃない」とか言い始めた事。
もうギルスやデューク同様、『仮面ライダー』には一切関わらず二度と『仮面ライダー』の名を口にしないで頂きたい。
ブタブタ

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