カトー

ファルコン&ウィンター・ソルジャーのカトーのレビュー・感想・評価

3.8
MCUドラマシリーズ第二弾(第一弾のはずだったけど

ルッソ兄弟のCAシリーズと地続きのようなトーンと構成。WSとCWのスコアを担当したヘンリー・ジャックマンも再登板でかなりルッソ兄弟のスタイルを意識した作り。全体的に各キャラクターを丁寧に掘り下げていて、WVに続いてスピンオフドラマとしては◎。

本作のテーマはレガシーについてだけど、サムのそのレガシーに対する選択の描き方は素晴らしかった。1話で取った選択と、6話で下した決断に至る過程が非常に丁寧かつ説得力があり、昨今のハリウッドの「とりあえず黒人出しときゃいいんだろ」的な雑で強引な人種に対するスタンスへのアンチテーゼのようなものを感じた。ほんと、ぐうの音も出ないくらい密度の濃い描き方でアッパレ。ギリギリのラインであらゆる方面が納得する選択をしてきたMCUだからこそ成せた技だと思う。

そしてそして、本作の影のスターであるジョン・ウォーカー。MCU史上最も人間臭いキャラクターの誕生である。物凄いプレッシャーの中で死に物狂いで頑張ってるのに結果を出せず、仲間のはずのヒーロー達には邪険に扱われ、自身の無力さを痛感した結果●●に手を出してしまう... ああ、ジョン... わかるよその気持ち!
スーパーヒーローはフィジカルだけじゃなくメンタルもスーパーだから、そりゃフツーの人がヒーローやったらああなるよなって、我々一般人の視聴者こそ共感できる素晴らしいキャラクターだと思う。
そんな彼が覚醒した4話は文句なしのベストエピソード!ラストショットはMCUで味わったことのないゾクゾク感!
原作通りの姿に生まれ変わったジョン君がこれからどんな活躍を魅せてくれるのか楽しみでしょうがない。

と、全体的には高評価なのだが、本シリーズで唯一残念だったのがファルコンのあのコスチュームデザイン。毎回度肝を抜く素晴らしいデザインを披露してくれるMCUで、本作は珍しくハズした感がある。限りなく原作に近いコスチュームとはいえ、今までの軍人+ヒーロー感のあるトーンと統一感が無さすぎる。あとジモの紫マスク。被る理由も明かされず、ただのファンサービスで終わってしまったのが悲しかった。お目め部分が丸出しだからカッコ良くはなかったけど...
カトー

カトー